激動1年の横浜畠中「技術や迫力など全て違う」手記

横浜対東京 優勝を果たしチームメートと抱き合う横浜DF畠中(右)(撮影・横山健太)

J1優勝を果たした横浜F・マリノスでここまで唯一の全試合フル出場を果たしている日本代表DF畠中槙之輔(24)が日刊スポーツに手記を寄せた。チーム唯一の全試合フル出場で優勝に貢献。結婚や日本代表初選出、そしてJ1制覇と、激動の1年となった今季を振り返った。

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満員の日産スタジアムで最高の景色を見ることができました。辛抱強く使ってくれた監督にも感謝しています。19年はこれまでのサッカー人生の中でも思い出に残る1年で自信にもなりました。

昨年8月(J2東京V)から加入しましたが、当初は苦しい時期もありました。試合に出られる自信を持って移籍してきたのに、なかなか使ってもらえない。J1は技術や迫力など全てが違いました。何かを変えようと、身を清めるために1人でパワースポット巡りに出かけようとしたこともありました。危機的状況で支えてくれたのが、今日引退された(栗原)勇蔵君。「お前だったら絶対にチャンスはもらえる。今は準備の期間だ」。ずっと声をかけてくれました。勇蔵君の練習に対する姿勢も学ぶものが多かった。本当に感謝しています。

常時出場し、日本代表にも選ばれた今季はサッカーへの意識も変わりました。リカバリー機器を買ったり、筋肉の質などを確かめるために遺伝子検査もした。代表に選ばれただけで満足せず、その座をキープするため、必要だと思ったものには何でもチャレンジしました。

妻の支えも大きい。今年1月に結婚。自分のために料理の資格もとってくれ、朝、夜は栄養を考えた食事を出してくれる。食卓は、焼き魚とか、1人暮らしでは絶対に食べていなかったものばかり。励みになりましたし、間違いなく試合で体が動くようになった。

今季はこれまでのマリノスの堅守速攻のイメージを変えたかった。今年は守備だけではない魅力的なサッカーができていた自信もあります。実は(前所属の)東京V時代から英語を勉強していて、そのおかげで監督やコーチ、最終ラインのチアゴ(マルチンス)やティーラトンと通訳を介さないで話せた。これは大きかった。今後も伝統あるマリノスで、自分のようなビルドアップが得意なセンターバックとして存在感を出していきたい。そしていつか、マリノスと言えば畠中、という選手になりたいです。