大分DF岩田智輝、東京五輪経由22年W杯大黒柱へ

今年のさらなる飛躍を期す大分DF岩田智輝 (撮影・菊川光一)

九州の逸材がオリンピック(五輪)で羽ばたく-。大分・宇佐市出身で大分トリニータ生え抜き6年目のU-22日本代表DF岩田智輝(22)が、五輪イヤーのさらなる飛躍を誓った。東京五輪出場をステップに22年ワールドカップ(W杯)カタール大会の代表入りも見据えており、攻守のさらなる向上で「森保ジャパン」の大黒柱を目指す。

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神戸MFイニエスタを本気にさせたタフガイ、大分DF岩田が、五輪イヤーに並々ならぬ闘志を抱いている。今季の目標を「アシストと得点で2ケタゴールに絡みたい」と掲げ、22年W杯の代表入りも見据え「五輪出場がW杯に近づく意味では、すごく大事な目標」と飛躍の年にする。

7ゴールに絡む目標だった昨季は、11月10日G大阪戦で1得点1アシストし勝利に貢献するなどSBながら自身4得点。得意の攻撃参加で威力を発揮した。8月10日神戸戦では、持ち前の負けん気で元スペイン代表イニエスタと激しくボールを競りあい激高させ「イニエスタさんが、どうこうじゃないんで」とスーパースター相手にもポテンシャルの高さを見せつけた。

昨年6月にA代表デビューを果たし、コンスタントにU-22日本代表に招集されるなど、今や「森保ジャパン」には欠かせない存在となりつつある。だが「オリンピックはあるが、この年だから頑張ろうというのではなく、積み重ねと思う。昨年以上にたくさんゴールに絡み、自分の良さを出しつつ、また新たな課題を生み出せるような年にしたい」と慢心はない。

森保監督から「大分でやっていることを表現してくれ」と言われ、期待をかけられてきた。そんな中、岩田は「大分でやっているつなぎの部分やビルドアップだったり、攻撃参加は積極的に出せた」と振り返る。

それでも課題があることも承知だ。「クロスの質など得点に絡むところは伸ばしつつ、1対1の強さや安定感はもっと求められると思う。まだクロス対応などウイーク(弱さ)があるので、もっとレベルアップを図れたら。判断や予測をもっと早くしたい」と意気込む。

座右の銘は「小さなことをどれだけ積み重ねられるかが人間大事という『勝負の神様は細部に宿る』」だ。「負けず嫌いで、一番うまくなりたいと思ってやってきた」と言い、上達のため小学生時にリフティング連続3500回を達成、中学卒業時、親にいきなり海外のクラブ行きを直訴したこともある。向上心を忘れず、日本代表の大黒柱を目指す。【菊川光一】

◆岩田智輝(いわた・ともき)1997年(平9)4月7日、大分・宇佐市生まれ。GK以外すべてをこなす万能選手。3歳から兄の影響でサッカーを始め中学から大分の下部組織で育つ。ユース所属の高3で2種登録され16年にトップチーム昇格。13年から年代別代表に選出され昨年6月A代表デビュー。趣味は温泉に入ること、アクションものの映画観賞。178センチ、73キロ。家族は両親と兄2人。