仙台「具体的に行動しないと」2期連続赤字に危機感

仙台の選手たち(2019年5月2日撮影)

株式会社ベガルタ仙台は23日、仙台市内で取締役会を開催し、19年度の収支見込と20年度予算を報告した。18年度は7300万円の赤字で、昨年度は08年に現社名に変更して以降、最悪となる2億7100万円の赤字を計上。2期連続で赤字収支となった。

昨年度の収入は18年度から3000万円増の27億1400万円だったが、収入の2本柱である興行収入とスポンサー収入が減少し、より十分な資金獲得はできず、目標にした30億円規模の運営には届かなかった。菊池秀逸代表取締役社長(67)は「既存スポンサーのキャンセルや減額が多かった。オリンピックやラグビーW杯に協賛を移行された経緯や、ユニホーム上部のスポンサーの獲得ができなかった」と主な要因を話した。

追加のトップチーム経費も収支を圧迫した。昨季はリーグ開幕5戦で1分け4敗と最下位に沈んだことに伴い、シーズン途中の大型補強にも踏み切った。同経費は18年度から1億2600万円増の13億9000万円に。経費圧縮などで総出費を当初計画の30億9200万円から29億4400万円に抑えたものの、前年から出費は約1億8000万円増え、赤字増につながった。

赤字決算から脱却に向けては、昨年9月以降のホーム戦で実施し効果のあった価格変動制のチケット販売を今季は全試合で行う。菊池社長は「Jリーグの予算規模が高騰していて、広告収入や入場券収入でアップしないと対応できない。予算規模30億円を実現できなかった結果を見直して、具体的に行動しないといけない」と危機感を口にした。20年度の計画では200万円の黒字化を見込む。現場とフロントが意思疎通を図りながら、12年以来の1桁順位と黒字決算の両目標を達成するため、今季スローガン「熱結」を掲げて戦っていく。【相沢孔志】