J3岩手FW色摩、開幕先発だ 勝者DNA受け継ぐ

球際で激しく競り合う岩手FW色摩(手前)

J3いわてグルージャ盛岡は11日、宮崎県内で2次キャンプをスタートさせた。鹿児島1次キャンプ最終日の9日に行ったJ3鹿児島ユナイテッドFC戦で、PK奪取などの活躍を見せたルーキーFW色摩雄貴(22=東京学芸大)が、開幕スタメンへ猛アピールを続けている。スピードに乗ったドリブルと縦への推進力で相手を切り裂くアタッカー。今季は5得点以上を目標に掲げ、最下位からの巻き返しへ切り札になる。

勝者のDNAを受け継ぐドリブラーだ。J1鹿島アントラーズユース出身で、15年には高校年代最高峰のプレミアリーグEASTで優勝。東西王者が戦うチャンピオンシップ(現ファイナル)も制し、日本一に輝いた。「技術的にはほぼ一緒で、力が拮抗(きっこう)しているリーグ。最後のところでいかに守れるか、フィニッシュで結果を出せるかが大事だった。そういう部分で勝ちきる勝者のメンタリティーを植え付けられた」。ユース時代は盛岡出身の小笠原満男氏らトップチームの選手に交ざり、紅白戦でプレーする機会が多く、一流を肌で感じてきた。

高校卒業後は東京学芸大に進学。在学中は明大、筑波大など名門が所属する関東大学リーグ1部でのプレーはかなわず、同2部で戦い、昨季は21試合で5得点4アシストだった。大学4年になると、サッカーと並行して就活し、商社やコンサルティング会社から内定を得た。さらに体育の教員免許を持つが、第1志望のJリーガーの道に進んだ。今季の岩手は走力を大事にするチーム。持ち味のスピードを生かし、変幻自在にピッチを駆け回る。【山田愛斗】