札幌鈴木「俺が蹴った方が入る」志願のFK決めた

鹿島対札幌 直接FKを決めた札幌FW鈴木(撮影・浅水友輝)

<練習試合:鹿島-札幌>◇21日◇カシマ

北海道コンサドーレ札幌は21日、茨城・カシマスタジアムで鹿島アントラーズと練習試合(45分×2、35分×2)を行い、9-6で勝利した。

新型コロナウイルス感染防止のため一般非公開で実施。互いに主力組が出場しDAZN(ダ・ゾーン)でライブ配信された1、2本目の計90分は、FW鈴木武蔵(26)のゴールなどで4-2と快勝した。

2本目33分、ゴール手前左で獲得したFK。鈴木は自ら右足を振り抜いた。「俺が蹴った方が入るかもしれないよ、とフクちゃん(福森)に言った。練習試合なのでトライしてみよう」。主にキッカーを務めるDF福森に代わり、志願して放った一発は壁に当たって軌道を変え、ゴールに吸い込まれた。

同18分にMF白井のクロスに頭で合わせたゴールに続く“2点目”。練習試合でも変わらぬ得点への嗅覚を見せ続け、国内3大タイトル19冠の強敵を下した。「練習試合でも公式戦でも、戦ってやることは変わらない」。無観客でも変わらぬ熱量で戦ったがゆえに、フリーでシュートを外した場面に「あと2、3点取れる局面があった」と反省も忘れなかった。

リーグ戦が中断してから約1カ月。この状況下で練習の成果を測る大事な一戦だった。1、2本目の90分間で両チーム計5枚のイエローカードが飛び交い、ファウルを受けた選手が相手と小競り合うほど熱気に満ちた。2月22日リーグ開幕の柏レイソル戦(2●4)で目立った守備のミスも減少。ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)も「強い鹿島を相手に我々が狙いとするサッカーというものを十分に出すことができた」と評価した。

現状は4月3日に再開される予定のリーグ戦に向け、指揮官の求める理想型に近づけている段階。鈴木は「準備期間が延びたと思って、しっかりやっていきたい」。再開の時までチームとして上積みしていく。【浅水友輝】