ヴィッセル神戸MFアンドレス・イニエスタ(35)が17日、母国スペインの最大手スポーツ紙「マルカ」の1面を飾った。初公式ドキュメンタリー「アンドレス・イニエスタ-誕生の秘密-」が23日から楽天グループの動画配信サービス「Rakuten TV」などで配信されるのを前に、インタビューに応じたもの。バルセロナのチーム事情やスペインの現状について思うこと、また日本での今後のキャリアについて語った。
-新型コロナウイルス下での生活は
イニエスタ プロフェッショナルとしても、個人的にも、僕たちはあまりにも長い間、少しおかしな時期を過ごしている。早く元通りになり、全てが改善される日が待ち遠しいよ。
-コンディションの保ち方は
イニエスタ 僕たちには個人プランがあるし、フィジカルコーチとのビデオ通話で、コアセッションとフィジカルセッションを数日行っているんだ。幸い、僕たちは小さな島に住んでいるので、散歩やランニングに出かけることができる。「TikTok」をやり、家族と協力しながらコンディションを保っているよ。この状況はまた他のことを教えてくれるんだ。
-公式ドキュメンタリーの出来に満足しているか
イニエスタ もちろん。満足していなかったら出ていないよ(笑い)。冗談抜きに、全てがうまくいったことにとても満足している。その裏には、移動やインタビューなど、本当に多くの努力が隠されているんだ。チームは素晴らしい仕事をしてくれた。アイデアは常にあったが、本を書いてからドキュメンタリーにするのに少し多くの力が必要だった。日本で楽天と協力した時にはるかに大きな力が生まれ、仕事に取り掛かったんだ。
-今のバルセロナが過去の鮮度を感じさせていないことについて
イニエスタ 正直に言うと、僕がバルサについて、常に同じゲームプランを持つチームだと見ている点で、常に他とは違うチームだと思っている。それがうまくいく時も悪くなる時もあるが、僕はそういう風に見ているよ。おそらくそれは、僕がずっとあそこにいて、選手たちの考えていることが分かるからだと思う。またどの瞬間にもそれぞれの状況があるものだし、他のどのチームにも劣っているとは思わない。
-キケ・セティエン監督が彼の大好きな「クライフスタイル」を成し遂げられているか
イニエスタ 監督は選手たちに望むこと、そしてプレースタイルについて、非常に明確な考えを持っている。彼が目的を達成したかどうかを言うのは時期尚早だ。監督としてわずか12試合しか戦っていないからね。彼のパフォーマンスのディテールを分析するには試合数があまりにも少なすぎる。時間の経過とともにしっかりと評価できるようになるだろう。
-グリーズマンがフィットするのに苦しんでいることについて
イニエスタ デ・ヨングと同じようなものだ。グリーズマンや他の新入団選手は毎年、時間を必要とする。彼らは素晴らしい才能を備えているのでおそらく、プレーするのが容易ではないあのチームで自分の居場所を作り成功を収められるだろう。
-スペインの状況について
イニエスタ 外から見ると、心配を抱え苦悩しながら生きている状況だ。幸いにも僕たちは皆、ここで健康だよ。全てがうまくいき、早く過ぎ去ることを願っている。僕がここから唯一できることは、力強い励ましのメッセージを送ることだけだよ。町が実質的に空になっているが、それは人々の団結の証だ。人々が関わり合い、現在の状況を把握していることを示している。皆が一緒になってやり遂げる他に方法はない。連帯感を持ち、仲間になる必要がある。
-日本での生活、そしてビジャがいないことについて
イニエスタ 僕たちは日本で幸せを感じているし、天皇杯に優勝して昨シーズンを終え、スーパーカップに勝利して今シーズンをスタートできたのでうれしいよ。また僕たちはACLに出場し、中断されるまでの2試合に勝利した。もちろんダビド(ビジャ)がいないのは寂しいよ。僕たちはあまりにも稀な経験をせざるを得なくなっているが、ここで快適に過ごしている。僕たちにはこの町で、何も必要としない本当に落ち着いた生活があるし、家族やサッカーを楽しんでいる。
-2021年以降、契約を延長するかについて
イニエスタ 僕たちはプレーを再開し、皆が再び楽しめることを望んでいる。この中断期間は僕にプロキャリアを伸ばそうとする力を与えてくれる。でも僕たちが今考えていることは、世界中で起こっているあまりにも困難なこの状況を乗り越えることだけだ。サッカーは二の次だし、いつになるか正確には分からないけど、僕は再びプレーする時のために体力を維持しているよ。
(高橋智行通信員)