新潟L児野「魅力ある」開幕スタメンへ強烈アピール

DFに体を寄せられながらもボールキープするFW児野(左)

サッカー女子のなでしこリーグ1部、新潟レディース(L)は12日、JAPANサッカーカレッジと練習試合を行い2-0で勝った。今季新加入の即戦力、FW児野楓香(22=日体大)が開幕スタメンをアピールした。1-0の前半43分、FW園田瑞貴(23)の左クロスを右足のダイレクトで押し込んだ。新潟Lは今季開幕戦を19日のアウェー、マイナビ戦(宮城・松島)で迎える。

児野が右足を前に投げ出した。園田瑞のスピードあふれる左クロスに全身で反応した。「『来る』と思って前に行った」。ゴール前に走り込みながらのダイレクトシュート。クロスの勢いを殺さず、ボールはゴールに入っていった。出場は前半の45分だけだったが、開幕スタメンへ、強烈なアピール弾になった。

奥山達之監督(44)は児野をこう評した。「得点への嗅覚。得点の仕方。この能力は簡単に持つことはできないが、それを持っている。魅力を感じている」。日体大卒のルーキーだが、昨季は日体大FIELDS横浜で、なでしこ1部リーグを経験。13試合に出場し6得点をマークしている。U-17女子ワールドカップ(W杯)(14年=コスタリカ)と、U-20女子W杯(18年=フランス)では「世界一」に2度輝いている。だからこそ意識は高い。45分間の1得点では、決して満足しなかった。

「まあ、ボチボチという感じ。あまり良くはなかった、と思った」とゲームを振り返った児野は、この日の練習試合を開幕への“ラストスパート”の起爆剤にする。延び延びになっていた今季の開幕戦は19日のアウェー、マイナビ戦。「1週間で積極的に自分を出していかないと、スタメンを取るのは難しい」と1得点の活躍ながら、危機感も募らせる。「新潟には、いいパサーが大勢いる。パスをゴールにつなげていかなければ、ここにきた意味がない」。リーグ開幕を目前に、児野は新潟加入時の初心に立ち戻っていた。【涌井幹雄】

◆児野楓香(この・ふうか)1998年(平10)1月15日生まれ、愛知県出身。藤枝順心(静岡)-日体大。サッカーは小学2年からシルフィードFC(名古屋)で始める。高校日本一を経験。U-16、17、19、20日本女子代表。154センチ、49キロ。背番号9。