新潟医療福祉大ダブル主将がけん引 視線は「全国」

“ダブル主将”の佐々木(左)と橋本がスター軍団をまとめる

天皇杯全日本サッカー選手権大会県代表決定戦の準決勝が8月2日に「サン・スポーツランドしばた」で行われる。5年連続5度目の出場を狙う新潟医療福祉大は、09経大FCと対戦する。今季はDF橋本恭輔(4年)とFW佐々木快(4年)の“ダブル主将”がチームを引っ張る。青森山田高3年時に全国高校選手権とプレミアリーグの2冠に貢献した2人が勝者のメンタリティーを武器にスター軍団をまとめ、今季初の公式戦に臨む。

全国を制した青森山田高コンビが、最後方と最前線を支える。守備の要・橋本は球際の強さとリーダーシップで最終ラインを統率する。178センチとセンターバックとしては小柄だが驚異的なジャンプ力で空中戦を制す。「身体能力がある方ではないので、跳ぶタイミングと助走の距離を大切にしている」。ポジショニングと読みの良さを生かしたインターセプトでも違いを見せる。

FWの佐々木は打点の高いヘディングと左右両足でネットを揺らす。「言葉でキャプテンらしいことは言えない分、プレーでチームを引っ張りたい。本戦出場へ向け、点を多く取って役割を果たしたい」。今季の目標は大学の1学年先輩、現J2新潟の矢村健(23)が3年時のリーグ戦で記録した28得点超え。「今年は試合数が少ないが年間通してその数字を抜きたい」。

チームは新型コロナウイルス感染予防のため、3月上旬に活動を休止。5月26日から段階的に自主トレを再開し、今月6日に全体練習を開始させたばかり。8月2日の天皇杯県代表決定戦・準決勝まで対外試合も組めないが「質の高い紅白戦が行えるようになってきた。心配はない」と佐熊裕和監督(56)は話す。

北信越大学リーグは9月開幕で秋季戦のみに規模が縮小された。総理大臣杯が中止となったため、プロ志望の2人にとって天皇杯は貴重なアピールの場となる。「チームの勝利が一番。その中で自分のいい部分を出せれば」と2人は口をそろえる。

「全国で勝てるチーム」がチームのコンセプト。「全国に、うちのサッカーを見せて暴れるためにも、まずは今季初戦をしっかり戦いたい。自分たちを過信することなく、全力で県代表決定戦を突破する」。常勝軍団出身の2人が、ダブル主将でタッグを組み、チームをさらなる高みに導く。【小林忠】

◆橋本恭輔(はしもと・きょうすけ)1998年(平10)5月2日生まれ、東京都出身。小学1年からサッカーを始め、中学ではクリアージュFCJY(東京・足立)に所属。10チーム以上の誘いの中、青森山田高に進学。3年時にクラブユースと全国高校選手権初優勝に貢献し、大会優秀選手。10月には母校・青森山田での教育実習を控える。178センチ、73キロ。右利き。

◆佐々木快(ささき・かい)1998年(平10)10月20日生まれ、青森県出身。小学1年でサッカーを始め、中学はリベロ津軽FCに所属。青森山田高3年時、選手権決勝の前橋育英戦(5○0)で5点目を決める。17年に新潟医療福祉大に進学し、18年は北信越選抜でジール杯に出場。19年の北信越リーグ戦は9得点で得点ランキング2位。179センチ、76キロ。右利き。

◆天皇杯第100回全日本サッカー選手権大会 新型コロナウイルスの影響で大会方式が変更。新潟県代表決定戦は8月2日の準決勝から開始され、8月16日に五十公野公園陸上競技場で決勝が行われる。県代表チームは9月23日に長野県代表チームと天皇杯2回戦を戦う。準々決勝からJ2、J3の優勝チームが出場。J1の優勝と2位チームが準決勝から登場する。決勝は21年1月1日に国立競技場で行われる。