札幌荒野2発「形にはなった」0トップ戦術に手応え

札幌対神戸 後半3分、ゴールを決めガッツポーズの札幌MF荒野(撮影・黒川智章)

<明治安田生命J1:札幌2-3神戸>◇第8節◇2日◇札幌ドーム

北海道コンサドーレ札幌はヴィッセル神戸に2-3で敗れ、開幕戦以来7戦ぶりの黒星を喫した。

リーグ通算200試合の節目の出場となったMF荒野拓馬(27)が前半29分に2試合連続弾で先制。後半3分にも右足で2点目を挙げたが、守備はミスも絡んで3失点。チームのJ1ホーム通算50勝はお預けとなった。

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スター軍団を相手に、札幌は何度もゴールに襲いかかった。前節同様にFWを置かない“ゼロトップ”戦術。その核となるMF荒野が、先制&一時同点弾と躍動した。「チームでしっかりと崩してゴールを奪いにいく部分で形にはなった」。自身リーグ通算200試合目の節目に2得点。ただ、白星には結び付かなかった。

前半29分。相手クリアミスに反応して、右足でファーサイドのネットを揺らした。逆転を許したが、後半3分にも、MFチャナティップからMF駒井へとダイレクトにつながったパスに反応し、左足でねじ込んだ。ミスが絡んで失点はしたが、前半の神戸のシュートはわずか2本(札幌は6本)。MFイニエスタに仕事をさせなかった。

荒野はゴール前に何度も顔を出した試合中盤までとは一転、選手交代でメンバーが入れ替わった終盤は、最終ライン中央でもプレー。「1つになって勝利しようという思い」で、90分間フルに戦い抜いた。ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)は「選手たちは最初から最後まで良いプレーを見せてくれた。内容と結果が伴わないときもある厳しい世界だ」と敗戦にも一定の評価を与えた。

リーグ再開後初の黒星で、J1ホーム通算50勝はお預け。4週間で9試合をこなすハードな8月の初戦を落とした。今後は中2日で迎えるルヴァン杯広島戦(5日、札幌厚別)、さらに中2日でリーグ清水戦(8日)が待つ。荒野は「連戦はあるけど、自分たちは誰が出てもみんな素晴らしいプレーができる。コンサドーレの強さはチーム力。みんなで乗り切る8月にする」。敗戦に下を向いている暇はない。【浅水友輝】