札幌6失点「こうした経験成長に」完敗も監督前向く

札幌対川崎F 1-6で破れ試合後、スタンドにあいさつする札幌の選手たち(撮影・黒川智章)

<明治安田生命J1:札幌1-6川崎F>◇第10節◇15日◇札幌ド

コンサドーレ札幌は今季最多6失点で3連敗を喫した。首位を独走する川崎Fに1-6で敗れ、J1タイ記録となる9連勝を許した。J2を含めてリーグ戦未勝利の相手に初勝利を目指した一戦。0-3の後半14分には選手交代でDF登録の選手をすべて下げる“超攻撃的布陣”で反撃を期したが、得点は同34分のFWジェイの1ゴールに終わった。

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ピッチから札幌のDF登録選手が消えた。0-3と劣勢の後半14分。DF進藤、福森を下げ、FWロペス、MF中野嘉を投入した。リーグ8連勝中の川崎Fに対して、最後まで勝利を目指したミハイロ・ペトロビッチ監督(62)は「こうした経験がこれから選手の成長につながってほしい」。完敗の中でも目指す“超攻撃的サッカー”のスタイルをぶれることなく戦い切った。

0-1で迎えた後半は開始10分までに2失点。指揮官はDF登録を下げると、CB左にはFW登録の菅、同右には試合開始から前線の一角を担った駒井を充てた。大胆な策で一時はゴール前に攻め込む場面を見せたが、前がかりになった同18分に4点目を献上。試合終盤にFWジェイが今季リーグ戦初得点を奪ったが「この結果でゴールを決めても満足はできない」。遅すぎた反撃に表情は浮かなかった。

ベルギー1部ベールスホットと移籍交渉中のエースFW鈴木がチームを離れ、4週間で8試合が組まれる8月の連戦で故障者も相次いだ。そんな中でJ1クラブで唯一未勝利の相手に勝利を目指した一戦。特別指定選手の明大FW小柏を先発に抜てきし、前線にFW登録を置かない“ゼロトップ”戦術で挑んだ。セットプレーから先制点を許したが「前半は非常に良い戦いができた」とペトロビッチ監督。評価する一方で通算成績は5分け18敗となり「今日のゲームはなかなか自分たちが思うような試合にはならなかった」と認めた。

7月はリーグ再開後6戦無敗(3勝3分け)だったが、8月に入り3連敗と波に乗れない。「今日は眠れない」と試合後に嘆いたFWジェイは「これからもっともっと練習して次の試合にみんなで向かいたい」。シーズンはまだ10試合を終えただけ。真価を見せるのはここからだ。【浅水友輝】

▽リーグ戦4試合連続でフル出場したMF荒野 前半にセットプレーで痛い形で失点し、後半は間延びしてどんどん失点してしまった。今日の大敗が糧になれば良いかなと思う。