INAC川澄、米国は「発信の仕方がプロ」一問一答

記者会見で思いを語ったINAC神戸MF川澄(撮影・松本航)

プレナスなでしこリーグのINAC神戸に期限付き移籍で加入したMF川澄奈穂美(34)が17日、日本女子サッカー界について持論を明かした。

大阪市内で入団記者会見に出席。INACとは12月末まで約4カ月半の契約で、21年は米国のスカイブルーに戻ることが基本線となっている。

14年に約半年間の期限付き移籍先となったシアトル・レインで、16年からプレー。19年からスカイブルーの一員として、本場のサッカーにもまれてきた。なでしこジャパンで11年女子ワールドカップ(W杯)初優勝、12年ロンドンオリンピック(五輪)銀メダルなどに貢献した実力者が、会見の壇上で率直な思いを口にした。

-今のなでしこリーグ、日本女子サッカー界を、どう見ている

川澄 私自身、なでしこリーグでプレーするのは、2016年以来ということになります。その間も、リーグの動向は気にしていましたし、試合もできる限り見逃しであっても見るようにしたり、SNS等でいろいろな形で各チームの発信を気にしていました。

そもそもアメリカはプロリーグで、日本はアマチュアリーグ。その辺の違いはあるんですけれど、それでも女子サッカーが1つ2つステップアップしていくには、ただ単純にサッカーのレベルだけでなく、そこをとりまく環境であったり、取り組む姿勢であったり、何に価値を置くのか…。

女子サッカーを(どう)日本だったり、世界に発信していくのか。自分自身はアメリカにいるので、アメリカと比べてしまいます。その辺はアメリカは「とんでもなく前をいっている」と正直に思います。

ただ、それを日本が全くできないかというと、そうではないと思います。うまい選手もたくさんいますし、世界でまだまだ上を目指せるような人材もいると思います。そのあたりを選手は当然ですし、スタッフ、協会、リーグであったり、全員で力を合わせて、ステップアップしていってほしい。私もその一員として、今までは外野だったけれど、今日からは中の人間として、どんどん発信していきたいと思います。

-日本で落とし込みたいことは

川澄 プレー面で言うと、日本のリーグは外国人選手がすごく少ない。アメリカでやっていることを、丸々持っていったら日本で通用するかというと、またそれは違います。非常に難しいですが、日々アメリカで戦っている中で、例えば世界大会で感じるスピード感、パワー、守備の時の深さだったりは、自分自身もすごく学んでいるところです。そういうところは「プレーで見せていけたらいいな」という風には思っています。

サッカーのこともそうですが、広報であったり、チームの見せ方、発信の仕方が、アメリカは「プロだな」って感じます。そこにアメリカの場合はお金だったり、人をかけているからこそ、それができるっていうのがあります。日本がまだプロリーグではないので「難しいところもあるのかな」とは思いつつ、来年からプロリーグができるので「今からでも、何か伝えられることはやってみよう」と思っています。

-コロナ禍を米国で経験した

川澄 日本にいたとしても初めての状況でしたし、それを海外で迎えてしまったっていうのは、自分自身でも「良い経験」というと語弊があるかもしれませんが、リーグやチームがすごく選手のことをサポートしてくださいました。結構、日本からは「アメリカ、感染者多いけれど大丈夫?」っていう連絡をたくさんいただいたんですけれど『むしろ日本の方が、全然対策していないけれど大丈夫?』ってなるぐらいでした。

アメリカでは3月中旬から自宅での待機が始まって、2カ月半は、本当に誰とも会わず。何かあっても、必ずオンラインのミーティングでした。極力人と会わない生活で、トレーニングも1人でやっていました。食事はしないといけないので、スーパーでは1週間に1回ぐらい行くという感じでした。スーパーも入れる人数が制限されていて、家族であっても2人までしか入れないとか、マスク必ず着用するとか。本当に徹底されていたので、変に不安を覚えることはなかったです。

-PCR検査等は

川澄 PCR検査を7月に8回受けて、全て陰性でした。もう、鼻の穴の皮がだいぶ薄くなっています…(笑い)。