北越・加藤は無言実行 ボランチで試合コントロール

試合形式の練習をする北越・加藤主将

全国高校サッカー選手権大会・新潟県大会の準々決勝が今日31日、行われる。11年ぶり選手権を目指す北越は主将のMF加藤雅久(3年)がチームをまとめ、ボランチとして試合をコントロールする。準決勝は11月3日に長岡NTで、決勝は同7日にデンカSで行われる。

加藤には主将としての風格も漂う。給水からアップトレーニング、紅白戦など練習中は常に細部までチームの状況に気を配る。多くは語らないが、その姿にチームメートは自然とついていく。無言実行。背中で語り、チームのかじを取ってきた。

昨年の選手権県大会の準決勝で帝京長岡に0-4で敗れた悔しさから自ら主将を志願した。現チーム内ではただ1人、1年時の県大会決勝(1●4帝京長岡)でピッチに立った。肌で感じた加藤にしか分からない選手権への「壁」もあった。日常生活からサッカーに対して常に意識は高く「真剣に取り組む姿勢はNO・1」と荒瀬監督も厚い信頼を寄せている。

加藤は試合でもボランチとしてチームを引っ張る。「常に周りが見えているので攻撃のリズム作りや守備の技術の高さもある」と荒瀬監督。混戦でのプレーや球際を抜けるプレーなどを得意とし落ち着いたボール回しでチームをコントロールする。今大会2試合を戦い、チームの課題も見えてきた。周囲との連係、イメージを合わせるコミュニケーションがカギとなる中で加藤がキーマンとなる。

ケガに悩まされた苦労人でもある。今年の練習中に右太もも前部の肉離れ、昨年のインターハイ以降、右足首を3度、捻挫した。8月中旬までは試合に出られない日が続いた。だからこそ選手権にかける思いは強い。「迷惑をかけた監督へ結果で恩を返したい」と全国を見据え、闘志を燃やしていた。

【飯嶋聡美】

◆加藤雅久(かとう・がく)2002年(平14)10月27日生まれ。プロを目指し小学2年から春日SSSでサッカーを始める。城東中時代は上越春日FC所属。北越では1年のプリンスリーグで先発で出場も。19年全国高校総体優秀選手。170センチ、55キロ。