<YouTuber那須大亮の目>
高校選手権が31日に開幕します。先日、毎年優勝候補に挙がる青森山田高の活動に潜入した動画を、私のYouTubeチャンネルに配信しました。実際に練習に参加すると、1つのパス、トラップが少しでもずれたら「こだわれ」という声が常に響きます。雪国であることを忘れるほど、ピッチには熱がこもっていました。
日本の育成年代を主に担うのはJクラブのユースと高体連です。この2つはよく比較され、議論されます。私は鹿児島実出身なので、高体連組となります。「どちらがいいのか?」と聞かれると、正解はないと思います。
よりプロに近いという意味では、ユースは人数が絞られ、トップの練習にも参加できて環境はいい。青森山田高で言えば、100人超の部員の中でプロになるのは多くても数人。プロになることのできる確率なら、ユースの方が高いと言えるでしょう。
私が高体連の鹿実に所属してよかったと思う点は、特に苦しい時や息詰まった時、当時の厳しい練習が自分の背中を押す原動力になっていることです。学校まで自転車で片道40分、急な坂をいくつも越えて、朝練習に向かいました。同学年で100人弱が入部して、初期の走力トレーニングで40~50人がやめていった。
何でこんなに走らされるんだ? と思ったこともありました。それでも、さらに自分の色を出そうと、後輩をつかまえて自主練習も日々やっていました。今はさまざまな練習方法や知識がある。ただ、練習ひとつをとっても、きついからいいわけじゃないし、効率的だからいいわけでもない、ユース、高体連のどちらがいいかではなく、どこに所属しても目的を持ち自分の課題や不足を見つけ解決するという視点を持って取り組めるかが大切だと思います。
プロになれるのは青森山田高でもごくわずか。試合に出られなかった選手、裏方など、いろいろな立場がある。そこで何を感じてどこまで燃焼できるかが、その後の人生につながります。ベンチ入りできず、応援のみで終わったとしても、誰かのために声をからして、サポートする。そうすればピッチに立つ選手は、支えられている意味を知ることでしょう。
高校選手権は、そうした自分の礎になるような価値観に出会える特別な場でもあると思います。1人でも多くの選手が、かけがえのない仲間とともに集大成の大会を迎えて欲しいと思っています。(アテネ五輪日本代表主将、YouTuber)