「ググる」から偉業1勝の女性監督、次戦は母国英雄イニエスタ擁する神戸と

天皇杯初勝利を飾った鈴鹿のミラグロス・マルティネス監督(右から5人目)(C)鈴鹿ポイントゲッターズ

<天皇杯:鈴鹿ポイントゲッターズ2-1FC刈谷>◇1回戦◇23日◇三重交通Gスポーツの杜鈴鹿サッカー・ラグビー場

歴史的偉業は「Google検索」から始まった。

日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズ(三重、前鈴鹿アンリミテッド)を率いるスペイン人女性ミラグロス・マルティネス監督(36)が天皇杯初勝利を挙げた。

初戦敗退となった前年度の第100回大会が初采配。同杯で女性監督が指揮した例は、事務局が確認できる限りでは初めてだった。2度目の挑戦で女性監督の天皇杯初勝利をつかみ「とてもうれしい。試合後に選手たちも、お祝いしてくれた」と笑顔で振り返った。

女性監督誕生の物語は、18年12月から始まった。

「サッカー 女性 監督」

JFL昇格を決めた同年、クラブは前監督から退任の意向を聞き、新監督選びに着手した。女性監督に可能性を感じていた幹部は、まず「Google」で検索。最終的には関係者を通じてリストアップされた4人から、マルティネス監督に行き着いた経緯がある。

同じJFLのFC刈谷(愛知)と戦ったこの日は、前半3分にオウンゴールで先制点を献上。それでも前半ロスタイムにMF田村翔太(26)が同点ゴールを挙げ、後半6分にFW遠藤純輝(26)が決勝点をもたらせた。

2回戦は6月16日、ノエスタでJ1のヴィッセル神戸と戦う。カテゴリーでは3つ上の強敵だ。マルティネス監督は「数カ月、多くの練習時間を費やし、常にハードワークを続けてきた選手たちに対しての、ご褒美のようなゲーム。相手は明らかに格上なため、何も恐れず、怖さを持たず、思い切り楽しみ、自分のプレーを全員が見せてほしいと思っています」と期待を込めた。

 

◆ミラグロス・マルティネス 1985年4月23日、スペイン生まれ。アルバセテ・バロンピエ(スペイン)でU-6(6歳以下)~U-12の男子コーチ、U-18女子コーチを歴任。13~14年から16~17年まで女子の監督兼ゼネラルマネジャー(GM)。同クラブのコーディネーター&スポーツディレクターを経て、18~19年に同国アトレティコ・トメリョソで女子監督。19年に鈴鹿の監督へ就任。今季のJFLは9試合を消化し、4勝2分け3敗。勝ち点14で17チーム中5位。