J2仙台原崎政人新監督、「ポゼッションサッカー」で1年でのJ1復帰目指す

“ポゼッションサッカー”を掲げ、面白かったと言ってもらえる、エキサイティングなサッカーをしたいと語った原崎監督

常勝軍団となり、再びJ1の舞台へ-。J2ベガルタ仙台は20日のホーム開幕戦でアルビレックス新潟と0-0。スコアレスドローで勝負のシーズンを発進した。昨シーズンは、J1で5勝20敗13分けの成績で13年ぶりにJ2に降格。原崎政人監督(47)は、1年でのJ1返り咲きを目指し、選手とともに復活ロードを突き進む。

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捲土(けんど)重来を期すチームのタクトを振るのが昨シーズン、ヘッドコーチを務めた原崎監督だ。「自分もヘッドコーチをやっていましたし、クラブをJ2に落としてしまった責任がある」。

昨シーズンはJ2に降格が決定した後の残り2試合の指揮を執り、今季から正式に監督に就任した。監督の打診を受けた際は、葛藤や迷いは一切なく「昨年の悔しさは自分たちで返したい」の思いただ1つ。1年でのJ1返り咲きへ、手腕が問われる。

宮崎などで行われたキャンプではチームのベースを地道に積み上げた。「サッカーに対する考え方だったり、攻撃や守備の考え方というところ。ある程度の手応えはあるが完璧ではない。もっともっと精度を高めていかないといけない」と気持ちを引き締める。第1次キャンプから約1カ月間で作り上げた骨組みに、シーズン中に肉付けをしていく。

満を持して迎えたホーム開幕戦は、新潟に0-0のスコアレスドローで勝ち点「1」を手にした。だが、納得できる試合内容ではなかった。試合後、指揮官は率直な心境を吐露した。「もっと自分たちのサッカーができた」。今季は自分たちが主導権を握り、ゲームを動かす“ポゼッションサッカー”を掲げる。試合ではシュート4本と相手を9本も下回り、押し込まれる時間帯が多かったが、粘り強い守備で失点を許さず引き分けに持ち込んだ。「(新潟戦で出た)課題を修正して次につなげる」と23日水戸戦で目指すポゼッションサッカーを体現する。

監督としては1年目の“ルーキー”。これまで大宮、長崎などでコーチとしてチームを支えてきた。「コーチ歴が長かった。いろんな監督とご一緒させてもらって、その監督たちの良いところがいろいろあるのでそれを参考にしながら、自分なりの監督像を作っていきたい。そして、自分だったらこうだという監督になりたい」と意欲を語った。

シーズンは42試合の長丁場。J1の座を虎視眈々(たんたん)と狙うライバルチームから勝ち点「3」を奪うことが、J1復帰へのカギを握る。「昨年は(J1で)勝てない試合が続いた。サポーターの方にも『面白かったな』と言ってもらえる、エキサイティングなサッカーをしたい」と力を込めた。【佐藤究】

◆原崎政人(はらさき・まさと)1974年(昭49)8月13日生まれ、青森県出身。現役時代は大宮などで活躍し、04年に現役を引退。05年、大宮U-12コーチを皮切りに12~17年には仙台トップチームのコーチやユース監督などを務めた。18~19年大宮、20年長崎、21年仙台でヘッドコーチ。