<JFL:クリアソン新宿0-1鈴鹿ポイントゲッターズ>◇第24節◇9日◇東京・国立競技場
鈴鹿ポイントゲッターズのFWカズ(三浦知良、55)が「聖地」国立に帰ってきた。Jリーグや日本代表戦などで数々の伝説を残した「国立男」は、クリアソン新宿戦の後半31分に交代出場した。横浜FC時代の11年10月以来11年ぶり、新しくなってからは初めてプレーし、自身が持つリーグ最年長出場記録を55歳225日に更新。1-0の勝利に貢献した。「カズ効果」で観客数はJFL新記録の1万6218人。カズが「新国立」でも歴史の1ページになった。
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この日一番の拍手が、交代を待つ背番号11に注がれた。後半31分、カズはピッチの感触を楽しむように飛び出した。1-0リードを守り切ることが重要で、見せ場は多くなかった。それでも、終了間際には自身のパスを起点に左FWを走らせ、フリーでゴール前へ。ラストパスが通らずシュートは打てなかったが、5年ぶりリーグ戦ゴールへの期待にスタンドが揺れた。
試合後のセンターサークルでは、試合前に続いて相手の全選手と握手。アウェー選手ながら異例のインタビューも行われて「無事に(国立に)帰ってきました。みなさんのおかげで、最高の雰囲気でプレーできました」と相手クラブと多くのファンに感謝した。
この試合は大きな目標だった。右太もも痛を発症した直後、国立開催が決まった。最大の目標だったJ3昇格が資格を失って消えると、国立への思いはさらに強くなっていった。
国立でJ120得点、代表Aマッチ29得点は、いずれも歴代最多。記憶とともに記録も圧倒的だが「たくさん試合をしているから」と話した。この日も「いつもの試合と変わらない」。それでも、国立は特別。「歴史の重みはある」と話した。
スタンドすべての視線を集めて「引退試合」のようでもあった。「まだチャンスはある。最後とは思わない」とはいえ、J1や代表から遠ざかった今、この日が最後の国立になる可能性もある。「これからも努力して、コツコツやっていきたい」と言うと、名残惜しそうに何度もスタンドに手を振った。【荻島弘一】