<全国高校サッカー選手権:前橋育英2-1日章学園>◇1回戦◇29日◇NACK5
今夏のインターハイを制した前橋育英(群馬)が「2冠」に向けて逆転白星発進した。
山田耕介監督の「試合前から相当厳しいゲームになるのは分かっていた」という言葉通り、立ち上がりから攻めあぐねた。
逆に前半34分にはクリアミスから日章学園の波状攻撃を受け、防戦一方に。さらに同36分には自陣でボールを失い、ミドルシュートを打たれた。シュートがバーに当たって難を逃れたが、あわや失点という危ない場面だった。
チーム全体に初戦の硬さがみられ「(相手の)ロングボールのセカンドボールをほとんど拾われたんですよ。ああなっちゃうとちょっと大変」(山田監督)という状態だった。そんな中、後半10分に相手右サイドからのFKをゴール前で頭で合わせられて先制を許した。
だが優勝候補はそこからの底力が違った。先頭に立って力を発揮したのが158センチと小柄な背番号10、FW高足善(3年)。同19分にゴール右で小池直矢(3年)からのパスを受けると、ニアサイドに豪快な同点の右足シュートをたたき込んだ。
前橋育英は同37分には左サイドから高足→小池がショートパスをつないで相手守備陣を崩し、最後はMF青柳龍次郎(3年)の左からの折り返しを、途中出場の山田皓生(3年)が押し込んで決勝点を挙げた。
1ゴールを含め、全2点に絡んだ高足は同点弾について「自分は結構、前半から(シュートを)外してたし、本当に守備にも迷惑をかけていたので。以前の自分だったら、あそこから打つってことは絶対なかったと思うんですけど、この大会にかける思いとか、自分が決めるしかないんだという思いで打ったら入ったっていう感じです」と振り返った。
小柄な高足は、2017年度の第96回大会で得点王となり、前橋育英の選手権初優勝に貢献した166センチの飯島陸(現甲府)に憧れて同校に入学した。「飯島選手を見て、小さい選手があんな活躍ができて、このチームに行けば自分も活躍できるんじゃないかなと思って入学しました」。だが高足の夢は飯島に追いつくことではない。
高足は「比較された時に自分が上だと言えるような成績を残したい。代々、小柄な選手では飯島選手が有名でしたけど、高足善だというふうにしたい」「あの代は2冠は取れていないので。自分が得点王になって2冠を取れば、前橋育英といえば高足善になるので。2冠を目指しています」と強気の言葉を繰り返して、“飯島超え”を誓った。
今年は初参戦のプレミアリーグでも「セカンドボールの予測だったり、背後への抜けだしは本当に通用した」と手応えをつかみ、背の高い相手に対しても「センターバックがでかければでかいほどラッキーだと思う。自分のアジリティーが通じるので」とまったくひるまない。優勝&得点王へ、高足が強い気持ちで突き進む。