【藤枝】須藤大輔監督「面白くなければ意味ない」J2昇格の今季“超超攻撃”型でさらに進化

今季の躍進を誓った藤枝の須藤監督

<静岡から新たな風を 日本へ世界へ>

日刊スポーツ静岡版では「静岡から新たな風を」と題して、今年活躍が期待される監督や選手などのインタビューを随時連載する。第1回はクラブ史上初めてJ2を戦う藤枝MYFCの須藤大輔監督(45)。昨季は超攻撃的サッカーを掲げて悲願の昇格に導いた。今季掲げるスタイルは昨季のチームをさらに進化させた「超超攻撃的サッカー」。信念を曲げずに理想を追い求める熱血漢は躍進した昨季を振り返りながら、新シーズンに懸ける思いなどを語った。

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昨季は就任2年目で悲願の昇格に導いた。理想は「3点取られても、4点取り返す」、超攻撃的なサッカー。普段の練習から熱血指導し、追い求めてきたスタイルを貫いた。まさに躍進のシーズンだった。

須藤監督 去年は自分たちのゲームモデルをブレずにやり続けることができた。開幕6試合(2勝1分け3敗)で結果が出ず、悪い部分も全部出た。それでも、選手が信じてくれたことが全て。結果が出るようになってからは選手も楽しそうだったし、僕も楽しかった。見ている人も楽しんでくれる「エンターテインメントサッカー」ができた。

監督と選手の信頼関係で芽生えたチームの一体感も躍進の原動力だった。

須藤監督 最初に言ったことは、僕も失敗はするよと。その時は遠慮なく意見してほしいと伝えた。練習では4対9のゲームやフルコートでの3対3とか、突拍子もないこともした。いわゆる、11対0の練習もそう。敵がいない中ではイメージの共有が大事。最初はあり得ないところにパスを出したり、試合では絶対に通らないようなパスも多かった。でも、最後はスムーズにできていた。やはり継続は大事。選手の成長はすごかったと思う。

監督自身も常に新しいサッカーを研究し、練習などに取り入れた。自宅がある甲府から毎日往復4時間かけて通い、強化してきた。

須藤監督 大変だと思ったことは1度もない。甲府からの道も頭の中は常にサッカーのこと。どんな練習をしようとか、あの選手には今どんな言葉をかけた方がいいのか、とか。僕自身はゼロから一を作る人が尊敬できる。見ている人が『こういうサッカーをさせたいんだな』という「色」が分かる監督になりたい。

現役生活最後のクラブとなった藤枝で目標を達成した。元祖・サッカーの街でもある藤枝の土壌にさらなる飛躍のチャンスがあると信じている。

須藤監督 藤枝の方はサッカーをよく知っている人が多い。スタジアムの熱は毎試合感じていた。僕が藤枝でプレーさせてもらった時、クラブは僕の人間的なところも評価してくれた。魅力的なサッカーをして地域とともに上を目指していくというクラブの理念も僕の性格に合っていたのだと思う。このクラブを浦和や川崎F、横浜のようなビッグクラブにしたい。

今季はクラブ史上初のJ2。須藤監督自身もJ2で指揮を執るのは初めてだ。

須藤監督 今まで以上に個人のうまさが求められる。それだけではダメだし、勝利に対するしたたかさやずる賢さも必要。そこを植え付けながら攻撃的サッカーを進化させていきたい。

目指すのは昨季のチームを上回る「超超攻撃的」スタイル。今季は同じカテゴリーに清水と磐田もいる。

須藤監督 ずっと言ってきたことで、今までの序列を変えたい。そのチャンスだと思う。見ている人が「J2残留を目指しているな」というサッカーはかっこ悪い。たとえ、0-5で5連敗してもやるサッカーは変えない。やっているサッカーが面白くなければやる意味もないと思う。それがクラブの理念だし、僕が目指すところ。今年もいろんな意味で攻めていくので、期待をしてほしい。【取材・構成 神谷亮磨】

◆須藤大輔(すどう・だいすけ)1977年(昭52)4月25日、神奈川県生まれ。桐光学園-東海大を経て、00年に水戸に入団。湘南、甲府、神戸でプレーし、10年7月、当時東海社会人1部リーグの藤枝に加入。現役時代はFWとして活躍し、J1、J2通算226試合出場41得点。藤枝で現役を引退し、指導者に転身。山梨学院大コーチ、J3鳥取監督を歴任し、21年7月から藤枝の指揮を執る。昨季はJ3の優秀監督賞を受賞。