<全日本高校女子サッカー選手権:藤枝順心1-0十文字>◇8日◇決勝◇兵庫・ノエビアスタジアム神戸
19大会連続19度目出場の藤枝順心(東海1位)が、3大会ぶり15度目出場の十文字(関東1位=東京)を1-0で下し、2大会ぶり6度目の頂点に立った。
0-0の後半23分、FW正野瑠菜(3年)が先制点。初戦の帝京長岡戦(4○0)以来となるエースの今大会3点目を守りきり、接戦を制した。これまで5度で常盤木学園(宮城)と並んでいた優勝回数は、単独最多となった。
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藤枝順心が、歴史の新たな1ページを刻んだ。歴代最多6度目の優勝を告げる笛が鳴り響く。2大会ぶりの冬の挑戦が歓喜で幕を閉じた。インタビューでMF浅田幸子(3年)は「ブラボーです!」と満面の笑みで絶叫。最後は、全員のかけ声に合わせて三宅怜主将(3年)が優勝トロフィーを空高く掲げた。
0-0の後半23分、FW正野が決勝点をもたらした。敵陣でボールを奪ったFW山田歩美(3年)のパスを受け、冷静にGKをかわして左足で決めた。「点を取れていなかった自分を信じてパスを出してくれた。感謝でいっぱいです」。両手を挙げ、駆け寄る仲間のもとに笑顔で飛び込んだ。
「強み」を存分に発揮して頂点に駆け上がった。7月の全国総体では無得点で初戦敗退したチームが、今大会は7人で13得点を記録した。中村翔監督(34)は「どの選手が先発してもおかしくないチームになった。多種多様な戦いができることが強み。これは、総体後にこの子たちが努力してきた成果」。どん底からの成長が栄冠につながった。
“70人目の部員”の存在も背中を押した。昨冬、FWベアード・サマー(3年)が膝の負傷で退部。競技続行を断念せざるを得なかった仲間の思いも背負って挑んだ集大成だった。ベンチに練習着を掲げ、サマーの名前にちなんだひまわりの“お守り”も全員で身に着けた。浅田は「優勝を報告したかった」。約束通り、日本一を届けた。
21年の就任後、自身初の全国タイトル獲得となった中村監督は「全員が最後まで走り続けて勝利したことをうれしく思う」と結んだ。清水、磐田のJ2降格など暗い話題も多かった22年の静岡。23年の始まりは、順心の女王奪還で幕を開けた。【前田和哉】
○…三宅主将が、ピッチ内外で全国制覇を支えた。今大会は2回戦の常葉大橘戦(1○0)で決勝点を決めると、準々決勝の高川学園戦(6○1)でもネットを揺らし2得点。決勝では出番がなかったが、90分間「声」で選手を鼓舞し続けた。中村監督は「三宅が主将でなければ、優勝はできなかったと思う」と頭を下げ、賛辞を惜しまなかった。