【連載】藤枝阿部謙作GKコーチ、教員職捨て14年ぶりJ復帰/わたし達の新時代

今季から就任した藤枝の阿部GKコーチ

<わたし達の新時代>

J2藤枝MYFCの阿部謙作GKコーチ(42)は指導者としてプロの舞台に戻ってきた。現役時代は主にJ2ヴァンフォーレ甲府でプレー。当時のチームメートだった須藤大輔監督(45)に直接誘われる形で今季からコーチングスタッフの一員になった。昨年までは藤枝明誠高の教員で同校サッカー部を指導。安定した職を捨てて、勝負の世界に身を置く決断をした。

Jクラブへの「復帰」は09年の現役引退以来14年ぶり。阿部コーチは「元アスリートとして目の前にある大きな目標を成し遂げたいという思いがふつふつと湧き上がってきた。やるしかないと思った」。教員時代も藤枝のホーム試合は何度も観戦し、指導者目線で須藤監督が目指す超攻撃的サッカーを分析していたという。

藤枝ではチームスタイルを構築する上でGKも重要なポジションだ。最終ラインからの組み立てに参加し、正確なキックも求められる。「監督から唯一言われたのが、GKが攻撃のゲームメーカーになるということ」。練習では足元の技術を高めるメニューも積極的に取り入れながら、監督の要求に応えるGKの育成を目指している。

対象がアマチュアからプロに変わったが、変わらないものもある。指導のモットーはサッカーを楽しみ、自分も楽しむこと。「教員時代も何かの壁にぶち当たった時に生徒と真剣に向き合いながら解決策を見つけてきた。そこは通ずるものがあると思う」。選手に寄り添い、個性を生かす指導で成長を促す。自身の経験も伝えながら、チームの勝利のために全てをささげる。【神谷亮磨】

◆阿部謙作(あべ・けんさく)1980年(昭55)5月13日、神奈川県生まれ。小4からサッカーを始め、東海大一中(現東海大静岡翔洋中)-東海大一高(現東海大静岡翔洋)を経て筑波大に進学。卒業後の03年に甲府に入団。Jリーグ通算155試合出場。引退後は指導者に転身し、藤枝明誠高、東京国際大でGKコーチを歴任。家族は夫人と1女。