【新潟】「カイキャノン」初戦から発動 DFの股抜き谷口海斗が先制弾、伊藤涼太郎は2アシスト

セレッソ大阪対アルビレックス新潟 前半、シュートを決め喜ぶアルビレックス新潟谷口(撮影・石井愛子)

<明治安田生命J1:C大阪2-2新潟>◇第1節◇18日◇ヨドコウ

アルビレックス新潟は開幕戦でセレッソ大阪と対戦し、2-2で引き分けた。

序盤からボール保持率を高めて敵陣でのプレー時間を長くすると、前半22分にFW谷口海斗(27)が右足でゴールに突き刺し先制。6分後に同点とされ、後半30分に勝ち越されたが、同35分にDF千葉和彦(37)が右CKを頭で合わせ、アウェーで勝ち点1をつかんだ。トップ下の伊藤涼太郎(25)が2アシストで攻撃をけん引するなど3年計画で築いた攻撃スタイルを6年ぶりJ1舞台で示した。

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谷口海斗の「(海)カイキャノン」が初戦から発動した。前半22分、左サイドをドリブルで駆け上がる伊藤から離れるようなランニングでゴール右に位置を取ると、ラストパスを右足ダイレクトで合わせる。相手DFの股を抜き、逆サイドネットを揺らした。「相手の股下がしっかり見えた。自分らしく振り抜けた」と目の覚めるようなJ1初得点を振り返った。

苦労人の点取り屋だ。大学卒業後の18年にアマチュア契約でJ3盛岡に入団し、ホテルマンと選手を兼務した。厳しい環境にもサッカーへの情熱を失わずに努力を続けると、20年に熊本でJ3得点王を獲得。21年に新潟にステップアップ移籍を果たすと、昨季はチーム最多9得点を挙げ、優勝に貢献した。J1での戦いをスタートさせた谷口は「大勢のファンの前でプレーできることはうれしい。もっと結果を積み上でていきたい」と興奮気味に話した。

1点を追う後半35分には、この日J1通算350試合を達成した背番号35の千葉が伊藤の右CKを相手と競り合いながら頭で押し込んだ。ジャストミートはしなかったがしっかりとネットを揺らし「ラッキーゴール。枠に飛んでくれて良かった」と敵地での勝ち点1獲得にホッとした表情を見せた。

松橋力蔵監督(54)はプロでの監督業2年目で挑むJ1初挑戦。就任2年間で新潟にポゼッションサッカーを植え付けたアルベル監督(54、現東京監督)からバトンを受け、昨季開幕前から「J1基準」を日々の練習で掲げた。パスは強弱だけでなく数センチ単位でこだわった。相手がどんなに密集していても「出し手と受け手のタイミングさえ合えばパスは通る」と繰り返し、狭いエリアをパス交換でこじ開けるスタイルを進化させた。

この日もボール保持率を高めながら隙を突く攻撃的スタイルを堂々と貫いた。松橋監督は「クオリティーが足りない部分はあったが、ひっくり返された後に同点に追いつく勝負強さは表現できた」と最後まで勝利を目指した選手をねぎらった。前回のJ1舞台(04~17年)はブラジル人アタッカーを生かした堅守速攻で戦った。だが6季ぶりに戻ったJ1舞台はポゼッションサッカーで挑む。松橋監督は「やりたいことは発揮できる時間もあった」と手応えを示しつつ、「いいサッカーを見せるためではなく、勝つことが前提。そこを目指してやっていく」と25日の次節広島戦に気持ちを切り替えた。【小林忠】

○…トップ下で攻撃をけん引した伊藤が2アシストをマークした。谷口の先制点はドリブルで運び、最後は丁寧にラストパス。千葉の同点弾は「(千葉から)いつも俺を見てくれと言われている(笑い)」と振り返った。大阪市出身で中学時代はC大阪U-15に所属した。「(ヨドコウは)実家の近所。開幕ということも重なり気合は入った。恩返しのためにもゴールを取りたかったし、勝ちたかった」と2アシストにも満足はなかった。後半には小学生時代に初めてプロ選手からサインをもらった憧れのMF香川とマッチアップし「嫌な選手。スタートから出てなくて良かった」。

○…敵地での開幕戦に約2100人の新潟サポーターが駆けつけた。試合前には「揺るがない覚悟と信念を胸に。新潟のフットボールで更なる高みへ」という横断幕を掲げ、J1に挑む選手を勇気づけた。

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