【WEリーグ】大手企業ヤンマー退職でプロか、アマ継続か C大阪ヤンマー古沢留衣が立つ分岐点

新チーム名「C大阪ヤンマーレディース」の発表会見に参加したMF古沢留衣

サッカー日本初の女子プロリーグ「WEリーグ」の23-24年シーズン(23年11月開幕予定)から新規参入するセレッソ大阪堺レディースが24日、新チーム名を「C大阪ヤンマーレディース」に変更することを発表した。

記者会見に選手代表で出席したのが、10年のチーム発足時から在籍するMF古沢留衣(25)。当時13歳、今は社会人になって丸3年がたつ、アマチュア選手。クラブのシンボル的存在の1人だ。

「WEリーグでは、今まで以上に結果が求められる立場になる。少しでも高い順位で終えられるように頑張りたい」

会見であいさつした古沢が勤務するのが、チームの冠スポンサーになった発動機、農機、小型船舶の製造・販売を行う世界的企業のヤンマー(本社大阪市)。本社では総務部に配属され、午後からはサッカーの練習に打ち込む。

WEリーグでは、1クラブが15人以上とプロ契約を結ばないといけない。基本報酬460万円以上のA契約、最低270万円以上のB、C契約と細部に分かれる。

C大阪ヤンマーで契約を担当する佐伯真道ゼネラルマネジャー(GM)によると、現在在籍する選手はそのまま新チームに移行する見込みだが、誰とプロ契約を結ぶかは7月までに決めるという。

プロの実力があるか否かが大前提になるが、学生をプロとして拘束できるのかなど、多種多様にわたる判断が必要になるという。

古沢の場合、現在社会人として得ている年収が、プロになることで下がる可能性もある。そういった選手の人生を左右する判断になるため、本人の意向も踏まえて慎重に作業が行われていく。

この日の会見後、古沢にプロになりたいのか聞いてみると、明確な答えはまだないようだった。同じ会見に参加したヤンマーの関係者は「古沢選手がプロになっても、ならなかった場合でも最大のサポートはしたい」と力を込めた。

「WEリーグで結果を残すために日々、しんどい練習をこなしています。これからも応援していただけるように頑張りたい」

社会人でもある古沢の言葉は、実によどみなく、会見場に響いた。

大手企業を退職し、長期的保証のないプロ選手になるのか。これまで通り、アマチュアとしてWEリーグでプレーし、社会人と両立させるのか。

多様性のある社会の象徴となることを大きなテーマとした「WEリーグ」は、女性の活躍を意味する「ウーマン・エンパワーメント」を略した言葉だ。C大阪ヤンマーの全歴史を知る古沢が進む道も、この夏には結論が出る。【横田和幸】

◆古沢留衣(ふるさわ・るい)1997年(平9)4月11日、奈良県生まれ。C大阪堺レディースの前身時代の1期生。17、19年になでしこリーグ2部でカップ戦優勝。20年に同期のFW玉桜ことの(25)とヤンマーホールディングスに入社し、競技と両立。155センチ、53キロ。