【新潟】プロ初ハットの伊藤涼太郎「みんなしんどそうだった」試合後チームメートに胴上げ

試合後、チームメートから胴上げで祝福される伊藤

<明治安田生命J1:新潟3-2福岡>◇第8節◇15日◇デンカS

アルビレックス新潟はエースのMF伊藤涼太郎(25)がプロ初のハットトリックを決め、アビスパ福岡に3-2で逆転勝ちした。0-2で折り返した後半2分、伊藤は直接FKを決めると、後半ロスタイム3分にミドルシュートを突き刺し、試合を振り出しに戻す。終了直前の同ロスタイム5分には、FW谷口海斗(27)のシュートのはね返りを右足で押し込み、勝ち越し。後半だけでチームの全得点を1人でたたき出した。4試合ぶり白星で勝ち点を12とし、順位を11位から8位に上げた。

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圧巻のパフォーマンスを見せた司令塔が、新潟サポーターから“伊藤コール”の大歓声を3度、浴びた。2点差を追いついた後半ロスタイム5分。谷口のシュートのこぼれ球に反応した伊藤はゴール中央から冷静に右足シュートを沈め、チームに大逆転勝利をもたらした。試合後はチームメートに胴上げされ、ビッグスワンの空を5度、舞った。「みんなしんどそうだった。疲れている中、やってくれたが最後は雑だった(笑い)。うれしかったけど、そんなにしなくていいよと思った」と笑った。

1点目は0-2で折り返した後半2分。左FKをニアサイドに直接ぶち込んだ。蹴る直前にはDF藤原奏哉(27)に耳打ち。「シュート性のボールを蹴るから、と。ただ、GKがファーに立っていたのでニアを狙った」。さらに後半ロスタイム3分。中央でパスを受けると素早く反転し、谷口とのワンツーからミドルシュートを突き刺した。「得意な形。普段の練習の成果が出た」と普段はクールな男が興奮気味に振り返った。

ハーフタイム。指揮官の言葉に新潟の「怪物」が目を覚ました。松橋力蔵監督(54)から「殴られて倒れてるだけじゃダメだ。殴られたらしっかり立ち上がれ」と鼓舞された。「監督も選手も誰ひとり諦めていなかった。絶対に逆転してやろうと思った」と伊藤。強いハートと「らしさ全開」の3発で期待に応えたエースは「サポーターもいい雰囲気をつくってくれた。もっとたくさんの人を巻き込んで、もっと大きなクラブにしていきたい」とスケールの大きい言葉を残した。

ハットトリックでリーグ得点ランクトップに並ぶ5ゴール目とし、チームに4試合ぶり勝利をもたらした。チームとしてシュート1本に終わった前半の戦いを反省しながらも「この勝ちをしっかりと次につなげ、波に乗りたい。アウェーでもホームでも勝ち点3を積み上げていきたい」。手がつけられない司令塔が、新潟に勝利をもたらしていく。【小林忠】

▼ハットトリック 伊藤が福岡戦で3得点。自身初。J1で今季3度目、通算258度目。新潟では13年10月27日の湘南戦でFW川又堅碁が達成して以来、10季ぶり6度目となった。伊藤は後半ロスタイムの3分と5分に立て続けにゴール。Jリーグの公式記録にロスタイムの時間が表記されるようになった10年以降、後半ロスタイムに2得点は甲府FWクリスティアーノが16年4月10日の湘南戦(3-1)、福岡FW山岸祐也が今年3月19日の湘南戦(2-1)で記録して以来、伊藤が3人目。過去の2人は1試合2得点で、ロスタイムの2ゴールを含むハットトリックは今回の伊藤が初めて。