【柏】井原新監督が会見「選手が監督の顔色をうかがいながらプレーしていた」ネルシーニョ氏退任

井原正巳新監督(2023年5月撮影)

退任したネルシーニョ前監督(72)に代わってヘッドコーチから昇格したJ1柏レイソルの井原正巳新監督(55)が18日、山崎和伸社長、布部陽功GMとともに本拠地三協フロンテア柏スタジアムで囲み取材に応じた。

井原監督は就任にあたり、リーグ最少8得点しか挙げられていない攻撃面を含めた戦術&精神面でチームを改善できると意欲を見せた。

まず戦術面では、ネルシーニョ前監督時代の縦に速いサッカーに加え、ボールを大事にし、敵陣に押し込んで攻める攻撃的サッカーの要素を増やしていくと説明。「チャンスをいかにつくるか、ゴール前にどれだけ進入できるかにゴール数は比例する。相手ゴール前に入っていく回数を増やしたい。それと得点のシーンがカウンター的な速い攻撃に頼っている部分がある。押し込んだ中でのチャンスの数を増やしたい」と話した。もともとボール保持率を高く保ち、細かいパスをつないで小気味よく攻めるのが柏の伝統。井原監督の言葉には原点回帰のニュアンスも含まれていた。

また布部GMは、今季はネルシーニョ前監督も攻撃的なサッカーを取り入れようとキャンプから取り組んでいたと説明。だが開幕2試合でドローが続くと、今までのサッカーに戻っていってしまったと話した。

布部GMは「今年はキャンプからチャレンジした部分があった。相手を押し込んで攻撃的にいこうと。第1節ガンバ戦、第2節FC東京戦は引き分けでしたが、内容的にはやろうとしていたものは出ていた。でも監督が『結果がほしい。勝利がほしい』ということで、横に揺さぶるサッカーから、もう少し縦に速くいこうと、練習の時の戦術や選手に対する要求を変えた。そういう中で勝てなかった」と話した。

また精神的な部分では、ネルシーニョ監督のもと、縮こまっていた選手たちに、もっと思い切ったプレーをさせたいという。井原監督は「ネルシーニョ監督は選手に対して厳しい要求をされていた。守備の強度とか、勝負にこだわる気持ちの部分でも。そんな中で選手が監督の顔色をうかがいながらプレーしている部分もあったので。もっとはつらつと、アグレッシブに思い切ったプレーができるように雰囲気を変えていくことでチームは必ず良くなると思う」と話した。

井原監督の就任初戦はホームで20日に行われるヴィッセル神戸戦。いきなり首位チームとの対戦になるが「チャレンジャー精神で、首位の神戸にひるむことなくアグレッシブに戦える試合の入り方ができれば。結果が出せないゲームが続いてましたから、首位の神戸に対して我々は勝ちたいという気持ちがサポーターのみなさんに伝わるようなゲームができれば」と意気込んだ。