【ルヴァン杯】横浜・宮市亮301日ぶり公式戦復帰 両軍サポーターからの拍手「鳥肌が立った」

札幌対横浜 後半から出場する横浜宮市(撮影・佐藤翔太)

<ルヴァン杯:札幌3-2横浜>◇24日◇1次リーグA組◇札幌ドーム

横浜F・マリノスのFW宮市亮(30)が、右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがから約10カ月ぶりに公式戦に復帰した。

試合を終えた宮市はまず「復帰した喜びよりもチームが勝てなかった悔しさが大きい」とコメント。そこから下を向くことはせず「そうしたこと(悔しさ)を感じられるところに立てたという喜びはある」と、ピッチで戦う一員として戻ってこられたことへの感慨を語った。

日本代表として出場した昨年7月の東アジアE-1選手権の韓国戦で負傷。長いリハビリを乗り越えての復活だった。試合前には、横浜だけでなく札幌のサポーターからも拍手を送られた。「鳥肌が立ったし、感情的にもなった。ありがたいなと。チームの垣根を越えた行動がうれしかった」と感謝の言葉を口にした。

1点を追う後半ロスタイム3分には得点機も。右クロスに反応してゴール前に走り込み、相手と競って倒れ込みながらシュートを狙ったが枠外だった。「あれを決めていたらいいストーリーになったとは思いますが…」と冗談交じりに苦笑いを浮かべた。「ああいうところを決めていかないといけない。あのワンプレーで流れも変わったと思う。でも、そういった悩みを持てることも喜び」。すべてはピッチに立てるからこそ。301日ぶりの感覚に、感じ入るものがあった。

敗れたものの、チームはすでに1次リーグ突破を決めている。リーグ戦も2位と、連覇を目指して着実に前進している。FWとしてアシストやゴールでチームに貢献するために、まずは第1歩を刻んだ。「日本一のチームでやっている喜びを日々かみしめて。みんなで勝ちに向かっていきたい。ここからまた貢献できるように頑張りたい」。自身6度目となる靱帯(じんたい)の負傷。スピードスターは何度でもよみがえり、ピッチを駆け抜ける。