【こんな人】J1で500戦出場中所属わずか1年 札幌に浦和興梠慎三が残した男気ある思いやり

浦和対東京 先発出場を果たす浦和興梠(撮影・横山健太)

<こんな人>

<明治安田生命J1:浦和0-0東京>◇第20節◇8日◇埼スタ

浦和レッズのFW興梠慎三(36)が東京戦に先発し、J1通算500試合出場を達成した。10人目でFWとしては初。前半14分にはポスト直撃のシュートを放ったが得点はならず。チームも東京と引き分けた。強靱(きょうじん)な体と、信頼される人間力を持ち、スコルジャ監督が「浦和の将軍」と評する。500試合を通過点にさらに高みを目指す。

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興梠は後輩への思いやりにあふれる。札幌に期限付き移籍していた昨季、「しまふく寮」で暮らした。ユース所属の高校生や若手選手と一緒に生活。寮生のためにドラム式洗濯機とフットレスト付きのL字形特大ソファを購入した。洗濯機は夜、練習後に帰寮してから練習着などを洗うユースの選手の分も合わせて2台。今でも寮生が使用している。

月に1度、寮内でパーティーを主催。バーベキューや手巻きずしなど、食べ盛りの選手たちのためにごちそうを振る舞った。材料調達から調理も担当し、寮に住んでいない選手も参加。その1人、MF金子は「慎三さんにはすごいお世話になった。すごいおとこ気がある大先輩」と慕う。

今季浦和復帰後も元チームメートを気づかう姿があった。4月15日ホーム札幌戦。DF中村にファウルで倒され、その中村はレッドカードで退場となった。試合後ロッカールームで中村に「あの対応はダメだよ」と声をかけた。「あいつ自身能力があるから」と期待するからこそ、アドバイスした。22歳の中村は「気に掛けてもらい、ありがたい」と感謝。成長の糧としている。札幌で過ごしたのは1シーズンだったが、残してくれたものはとても大きい。【札幌担当=保坂果那】