“変革者”本田圭佑、U10大会「4v4」創設「将来の日本を背負っていく人材輩出できれば」

4対4のU10サッカー全国大会を創設し会見する本田圭佑(撮影・野上伸悟)

サッカー日本代表で3度のW杯に出場した本田圭佑(37)が、日本社会を変えるべく新たなプロジェクトを打ち上げた。1日、千葉市で記者会見し、U-10(10歳以下)大会「4v4」の創設を発表した。自らの社会観から想起したルールやレギュレーションを採用。4対4の形式で自ら考え行動する力を育てる。社長、投資家、クラブオーナーなどさまざまな顔を持つ「変革者」が、大会を通じて日本の未来を担う人材の輩出を思い描く。

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イノベーター本田が本気で日本社会を変える。「たかだかサッカー界、たかだか子どもの大会って思うかもしれませんが、たかだかサッカー界からぼくみたいな変なのが生まれたのも事実」。真剣にそう語った。

日本サッカー界には12歳以下の全国大会しかなく、10歳以下の年代が活躍する場が少ないことは、サッカースクール事業を展開する本田にとって、悩みの種だった。

「今まで抱いていたサッカー界への疑問、不満、日本社会に対する疑問や不満、そういうものを子どものサッカー大会を通じて少しでもいい方向に変えられるような大会にしたい」

本田が抱く不満とは何なのか。「一生懸命頑張っているチャレンジャーにすごく冷たい社会だなと正直思いますね。常にリスクから入り、失敗を許さない。失敗した人に対しても新しいチャンスを与えない」。

自ら考えた大会では、16回開催されるゴールド大会での優勝チームと、他の何度でも参加できる大会を含めたポイントの上位32チームの計48チームが年末の全国大会に出場する権利を得る。「1度負けたら終わり」という従来の全国大会への道筋とは大きくことなる仕組みだ。

運動会などでも「競わない」ことがよしとされ、全国大会なども縮小される世の中。本田は「勝利至上主義」こそ否定するが「負けず嫌い」は今後の社会で希少価値が高まり、重要性が増していくと考える。子どもの可能性を信じ、挑戦する環境を整えることが大人たちの役割だと思っている。「負けた子に対してもチャンスを与え続けるという環境が最も大事なこと。どんどん子どもが自ら上を目指して、夢をもって、それに向かって全国大会で頂点を目指して頑張ってほしい。9割9分の子は負けるわけですけど、その勝ちたいと思ってトライしたプロセスにこそ価値がある」。

右膝の負傷の影響で約2年実戦から遠ざかる自身も9月に復帰を予定している。当面の夢は「どこかの1部リーグで点を取ること」。何度でも挑戦する姿勢を自ら体現する。「サッカー選手の育成はもちろん、1人でも多くのユニークな、将来の日本を背負っていくような人材を輩出できれば発起人としてそんなうれしいことはない」。そう熱弁する本田の表情は、ワクワクに満ちていた。【佐藤成】

 

◆大会要項 フットサルコートで4対4で戦う。10分一本勝負で交代は自由。ショットクロック(ボールを奪ってからシュートまでの制限時間)が20秒に設定されている。ベンチには監督やコーチは存在しない。サイドからの再開はキックイン、スローイン、ドリブルインが全て可能で失点後の再開も自陣のゴール前から。ハーフライン前からの得点は認められず、ペナルティーエリア内の得点が3点、外は2点となる。8月1日から11月30日まで3つの地方予選大会に参加可能。ゴールド大会で優勝するか、ブロンズ、シルバー大会の結果で獲得したポイントの上位32位内に入れば、12月に開催されるプラチナ大会(全国大会)に出場することができる。

 

<変革者・本田圭佑の軌跡>

◆12年 サッカースクール「SOLTILO FAMILIA」の開設。

◆15年 オーストリア3部(当時)「SVホルン」買収。複数プロサッカークラブオーナーに就任。

◆17年 「NowDo」を設立し、代表取締役に。

◆18~23年 カンボジア代表のGM(実質的監督)を務める。

◆18年 米俳優ウィル・スミスと共同で投資ファンド「ドリーマーズ・ファンド」設立。

◆20年 音声通話サービス「Now Voice」をリリース。

◆21年 東京都にサッカークラブ「Edo All United」設立。