【町田】ホーム最終戦も勝利 U22代表平河悠が開始3分ゴール「J1や代表でもやれる感覚」

町田対金沢 前半、ゴールを決め笑顔を見せる町田平河(右)(撮影・横山健太)

<明治安田生命J2:町田1-0金沢>◇第40節◇29日◇Gスタ

前節、そして前日にクラブ初のJ1昇格とJ2優勝を決めていた町田が、ホーム最終戦を白星で彩った。

U-22日本代表FW平河悠(22)が開始早々に祝砲を上げ、金沢に1-0。大学リーグで実質3部に当たる東京都1部出身のプロ1年目が攻撃の中心となり、来年は勇躍、J1とパリ五輪を目指す存在になる。守っては町田スタイルを貫く今季17度目の完封劇でVセレモニーに花を添えた。チーム最年長39歳のFW中島裕希は先人たちに感謝した。

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J2優勝を決めても、平河の表情は引き締まったままだった。4月からの首位独走に今季35試合6得点で貢献。初のJ1舞台を見据え「技術的にも体力的にもレベルが上がる中、自分の持っている力を100%出すだけ」。優勝セレモニーこそ先輩たちと喜び合ったが、取材エリアに現れた時には既に切り替えていた。

パリ世代の有望株が、開始3分で試合を動かした。本職の右ではなくセンターフォワードで起用されて1発回答。右クロスのこぼれ球に左足を合わせ、左ポストをかすめて、ねじ込んだ。

推定2億6000万円の移籍金で加入したチーム最多18得点のブラジル人FWエリキが8月、左膝前十字靱帯(じんたい)断裂。全治8カ月の穴を埋め、この試合も後半44分まで攻撃の軸になった。前任のポポヴィッチ監督時代、サイドバックまで経験した守備力で貢献。今年は黒田監督から前線で信頼され「早い時間帯に取れたので試合をうまく運べた」と自負を込めた。

佐賀東高時代は卒業後に就職も考えたほど無名で、実質3部の山梨学院大へ進学。2年時に得点王に輝いた後、卒業まで約1年半の猶予があった中で町田を選んだ。「最初にオファーをくれたクラブで(練習参加した際)プロのレベルの高さを感じた」と即決。3部相当ながら結果的に3年連続で得点王になり、J1から声がかかる可能性もあったが、恩義で青色のユニホームに袖を通すと決めた。

昨季は大学の最終学年と並行して16試合に出場。今季は6得点4アシストでJ1初昇格に貢献した。6月にはU-22日本代表に初選出。世代別代表のエリートたちに町田で育って追いついた。今年最大の公式戦、先月のパリ五輪アジア1次予選(U-23アジア杯予選)にも招集されたが「課題を、まざまざと見せつけられた」と向上心しかない。

来年は初のJ1とパリ五輪が待つ。「自分の特長を出せば(天皇杯で対戦した)J1や代表でもやれる感覚がある」。サクセスストーリーは始まったばかり。J1を驚かせたい町田とともに成長する。【村山玄】