<明治安田生命J2:町田1-0金沢>◇第40節◇29日◇Gスタ
前節、そして前日にクラブ初のJ1昇格とJ2優勝を決めていたFC町田ゼルビアが、ホーム最終戦を白星で彩った。町田スタイルを貫く今季17度目の完封劇でVセレモニーに花を添えた。チーム最年長39歳のFW中島裕希は先人たちに感謝した。
いつものように試合を締めた。最年長39歳の中島が“クローザー”として後半44分から登場。「最終戦、ホームで絶対に勝ちたい」と今季14戦目のピッチに入り、最前線で体を張ってリードを守り、同17度目の完封に貢献。歓喜の瞬間を仲間と笑顔で分かち合った。
この日のために苦難に耐えてきた。03年の鹿島アントラーズ入団からプロ21年目。ベガルタ仙台、モンテディオ山形をへて16年、J3からJ2へ復帰した町田に加入した。その年、自身の14得点もあって一時首位に立ったが、本拠がJ1基準を満たさずシーズン途中に昇格を断念。18年もJ1参入プレーオフ出場圏内の4位に、全42試合に出て12ゴールで導いたが、またも申請問題で一足先に“終戦”した。
土や人工芝の上で練習していたJFL時代を知る先輩のプレーを見て、クラブの歴史を学んだ。「すごく刺激的だった。その背中を見て成長できた」。不遇を知る中、底抜けに明るい性格で後輩たちをまとめ「自分たちの結果で環境を変えていこう」と言い続けた。
加入から8年たった今でも積年の悲願は忘れていない。「先人たちのおかげで今の町田がある」。セレモニーではDF奥山主将、引退する太田の次に優勝皿を掲げ「最高の景色」。経営母体や選手は入れ替わっても、ゼルビア魂を受け継ぐ1人になった。【村山玄】