【山口】環太平洋大MF水口飛呂が入団 中学、高校で出場なしも大学3年からの活躍でプロつかむ

環太平洋大のMF水口は強烈なシュートを放つ(撮影・中島洋尚)

Jの舞台で北海道に恩返し-。札幌U-15出身のMF水口飛呂(環太平洋大4年-大阪・履正社高)がJ2レノファ山口、同U-18出身のGK山本透衣(京産大4年)はJ3のFC大阪に来季入団する。25年4月の札幌入団が内定し、特別指定選手として4月のルヴァン杯に出場したMF木戸柊摩(大体大3年-札幌U-18)らを含め、来季のJは、北の大地を巣立った選手たちが全国で奮闘する。

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水口は大逆転でJリーグのステージをつかんだ。小学6年で札幌U-12に入団。翌年U-15に昇格したが、3年間公式戦出場はなかった。「チームは全国大会の決勝に出ましたが、遠征に連れていってもらえず、テレビで試合を見ていました」。U-18昇格を逃し「本州のチームで全国大会に出てアピールしたい」と、大阪の履正社高を選択。しかしここでも3年間、出番はなかった。

「対人が弱い」と自己分析。高校では全体練習後に友人と1対1の練習を30分以上続けたが「手応えが出てきたのが高3の夏ごろで、遅すぎた」という。

「中学、高校で1度も公式戦に出なかった選手がプロになれるわけがない。楽しもう」と入学した環太平洋大が、転機の場になった。大学3年でトップチームに抜てき。天皇杯などで経験を積むと、年度末には中国選抜やプレーオフ選抜の一員としてデンソーカップに出場した。自分と同じボランチのポジションで日本代表として活躍した中村憲剛ヘッドコーチ(43)の指示を受け、躍動した。

「憲剛さんには『お前は常にボールを受け続けろ。絶対に隠れるな。受けて、展開して、受けてを繰り返し続けて、チームにリズムを作れ』と言われて、その通りプレーしました」。大会3試合2アシストで勝利にも貢献、J2山口の関係者の目に留まった。

父の転勤で仙台に住んでいた小3の時に、東日本大震災を経験した。幸い家族にも自分にもケガはなかったが、自宅の電気・ガスがストップ。復旧までの約1カ月は自家用車で寝泊まりした。公式戦に出場できなかった日々も、震災後の生活を思えば耐えられた。

今夏に特別指定選手としてリーグ戦4試合に出場したが、年明け1月のキャンプが、本格的なプロ生活のスタートになる。「自分が主力選手として出場して、全国優勝したい」。最後まであきらめず、1度のチャンスをものにした勝負強さを武器に、Jで暴れ回る。【中島洋尚】