川崎フロンターレが14日、川崎市内の商業施設ラゾーナ川崎プラザで天皇杯の優勝報告会を行った。
イベント中、一番の盛り上がりを見せたのが、サプライズゲストの登場だった。「オジバナダ」こと、MF橘田健人主将(25)の叔父で写真家の橘田龍馬さん(51)。全力で川崎Fを応援する動画をX(旧ツイッター)に投稿し、プチバズリ中の人物だ。
イベント終盤にメガホンを持って登場した龍馬さんは、全力で健人の応援歌パフォーマンスを披露。切れ味鋭く踊り、歌った。健人も驚きの表情を浮かべる真のサプライズに、会場は大きなどよめきと拍手、笑い声に包まれた。司会者にひと言を求められると、「ACLもテッペン取るぞ~!! チェスト~!!」と叫んで嵐のように去って行った。
イベント後、取材に応じた龍馬さんは、「サプライズでした」としたり顔。約1週間前にクラブから打診され、快諾したという。
おいの健人を支えてくれた川崎Fサポーターに感謝の思いを込めて、10月3日に川崎Fを応援する投稿を始めた。すると、チームもそこから調子を上げ、天皇杯まで無敗で駆け抜けた。「この優勝は、川崎フロンターレの選手、クラブスタッフ、サポーター全員で勝ちとった未来につながる大きな大きな優勝だと思います」。
昨年6年ぶりにタイトルを逃したチームはリーグ8位に終わっていた。「何がなんでもタイトルをとらないといけないという想像を絶するプレッシャーの中での天皇杯優勝は震えるほど感動しました!」。
かわいいおいは、海外移籍した日本代表DF谷口彰悟に代わって今季から主将に就任した。「正直にいうとうれしい気持ちは全くなく『どうか健人がプレッシャーに押しつぶされて選手として致命傷を負わないように』と祈る気持ちだけでした」と振り返る。
常に健人とチームの動向を追っていた。リーグ開幕から10試合で3勝4敗3分。ホーム等々力で5戦勝ちなしとチームは泥沼状態だった。その頃から健人の名前がスタメンから消え、一方でチームは調子を取り戻し3連勝。「想像すらしたくなかった結果に、胸が引きちぎられそうでした」。 そんな苦しい状況から必死にはい上がり、天皇杯優勝までたどり着いた。「健人の優勝カップを掲げる姿を見て、もう健人は橘田家の健人ではなく日本サッカー界の健人なんだと誇らしく思いました」と誇らしくなった。
優勝を決めた後、テレビのフラッシュインタビューで今季の振り返りを求められた健人は、その重圧を思い起こし、涙を流した。「プレッシャーを真正面から受け止め、自分の努力ではい上がった者でないと流すことが出来ない最高に美しい涙だと思いました」。たくましくなったおいの姿に、自身も涙が止まらなくなった。
「覚悟を決めて健人をキャプテンに選んでくださった鬼木監督、全力で支えてくれたチームメートやクラブスタッフ、どんな時も見捨てることなく、声がかれるまで叫んでくれたフロサポたちに心から感謝いたします」
最後はお決まりの鹿児島弁で締めてくれた。「川崎フロンターレにチェスト~~!!」。オジバナダの勢いは来季まで続きそうだ。【佐藤成】