【新潟】安野努コーチ「総合力が上がっている」初タイトルへコンディショニングプログラム作成

ウオーミングアップで先頭を走る安野フィジカルコーチ

J1アルビレックス新潟は02年以来22年ぶりに沖縄でキャンプ(31日まで)を行っている。開幕ダッシュに向け、キャンプ序盤は強度の高い2部練習で体を追い込んだ。温暖な沖縄でコンディションを作り、2月上旬からは高知での2次キャンプに移る。クラブ初タイトルを狙う今季。選手のパフォーマンスの最適化のため、コンディショニングプログラムを作成する安野努フィジカルコーチ(45)は、ここまでの仕上がりに手応えを感じている。【聞き手=小林忠】

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-ここまでのキャンプを振り返って

「順調。意識とともに総合力が上がっている。ヨーヨーテスト(持久力評価)の結果も予想を超えているし、スプリント等の数値も上がっている。素質を持った選手が増えたこともあるが既存選手の伸びもある。ストレングス要素やランニングフォームの改善。元々の能力が発揮できるようなコンディション作りができるようになっている」

-いいコンディション作りが進む

「全選手のプレーの質が高いのでパスがタッチラインを割らない。高い練習強度で加減速だったり、行く・止まるの動作が多い中でプレーし続けている。みんな妥協しない分、練習外の時間にキツイ表情で訴えてくる(笑い)。GPSで出るデータも参考に、練習強度の波を作りながらケガには注意を払っている」

-暖かい沖縄でキャンプをするメリットは

「気温によってシーズン立ち上げのメニューが極端に変わることはないが、本来やりたいことがしっかりとできる。暖かいので体の可動域を広げたり、キック動作やストップ動作などは効果的にアプローチできる。体温も上がって血液が流れやすいので体は動くし、筋肉系のトラブルを含めてリスクは少ない」

-2月上旬から高知で調整

「いきなり沖縄から新潟に戻るより、(新潟と)気温差がそこまでない高知でワンクッションできることで徐々に開幕に向かっていける」

-体調も把握する

「食事、睡眠時間等を入力してもらうシステムを導入。事前に練習メニューの強度を段階的に提示し、実際にピッチで感じたことを選手とすり合わせたり、疲労をためている部分をメディカルスタッフと共有しながら翌日のウオーミングアップに落とし込むアプローチをしている」

-食事も細部まで配慮

「ホテルと打ち合わせし、提供してもらう食材は把握している。鶏肉だったら皮をカットしてほしいだったり、調理法は油を多く使った炒め物ではなく蒸す、焼きを中心にしてもらう等。消化の悪い物、カロリーだけ高い物は回復しない。いいトレーニングをしたら体の中に入れるガソリンはハイオクを注ぎたい」

-コンディション作りに終わりはない

「うちが攻撃で突破できても、走力、運動量、ボディーコンタクトでカバーしてくるチームは当然ある。そこを上回る能力をつけないとやっつけられない。同じ土俵に上げられた時にボールを奪われない、逆に奪う。ルーズボールの追いかけっこや、背後を取る、取らせないとか。そこは避けて通れない部分。昨年J1を戦って感じたことがあるので、選手は高い意識で練習に取り組んでいる」

-クラブは初タイトル獲得を掲げる

「今年はてっぺんを取る。選手はそこを強く意識して取り組んでいる。基準を優勝するチームにするのか、下の基準に置くのかで意識から違ってくる。上の基準で積み重ねていけるよう、こちらも同じ気持ちで臨む」

◆安野努(やすの・つとむ)1978年(昭53)4月20日生まれ、愛知県出身。大塚中ではハンドボール、西尾高でサッカーを始める。仙台大卒業後、塩釜高サッカー部(02~11年)、聖和学園高女子バスケットボール部(05~14年)、泉高(08~14年)などのフィジカルコーチ、トレーナーを務め、その後は徳島(14、15年)、横浜FC(16、17年)、横浜(18、19年)、清水(20年)、マイナビ仙台レディース(21年)とプロクラブを渡り歩き、22年に新潟のフィジカルコーチに就任。