セレッソ大阪の元日本代表MF田中駿汰(27)が10月に入り、DFで起用されている。昨季まで在籍した北海道コンサドーレ札幌ではDFが主戦場。成長のためにMF転向を希望し、C大阪へ完全移籍してきた。だが、チーム事情でDFで2試合連続先発中だ。複雑な思いを抱いているとみられたが、本人の口から出てきたのは「日本代表」という逆転の発想だった。
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-けが人の影響で守備的MFから3バックの中央に配置転換されて2試合。ともに勝利を収め、連続無失点に抑えた。MF以上に存在感を示した
田中 チームが勝っていればこそ。直近2試合は、自分としても特長は出せていると思う。
-C大阪は不調脱出のために、この3試合で4から3バックへ変更した
田中 特に戸惑いもない。臨機応変にするのも大事なこと。選手は(小菊監督の要求に)しっかり応えないといけない。フォーメーションの変更は、僕自身はウエルカム。
-昨季まで在籍した札幌では3バックの右が主戦場だったが、MF希望でC大阪に移籍してきた。複雑な思いもあったのでは
田中 全然なかったですね。違和感はなかったし、むしろ、やりやすかった。
-DFとしての先発は、4バックだった6月のルヴァン杯FC町田ゼルビア戦以来になる。3バックの中央での先発は
田中 札幌時代に1、2試合ありますね。自分がリベロで(今回と同じく)進藤(亮佑)君が右だった。だから、めちゃくちゃやりやすい。(3バック左の西尾)隆矢も2人とも前にいける選手だし、よく声を出してくれる。自分は3バックの中央ではそこまで経験がないので、うまくチャレンジとカバーができた。
-改めて聞くが、C大阪ではMF希望で移籍してきたのでは
田中 (DFに対して)何もイヤという感情はない。不満も何もない。今は日本代表も3バックをやっているし、そこはポジティブに考えている。(実際に)うまくいってなかったので(自分が)ボランチとして。その中で自分の実力を一番、発揮できるのはどこか。その答えはまだ分からないが、どっちでも自分はやりたい。
-確かに日本代表は4から3バックに変更し、田中選手には逆にアピールになるかもしれない
田中 どちらもできればプラスになり、アピールにもなる。そこで(代表入りの争いに)入っていきたい。
-SNSなどでは、C大阪へ移籍する際の契約書に「MF起用の条項がある」と信じている人もいる
田中 いるんですか? ないです、ないです(笑い)。
-守備的MFをやったからこそ、DFとして感じることもあるのでは
田中 ボールを持つのが、めちゃくちゃ楽ですね。なので、楽なぶん、もっと味方をフリーにさせるパス、リズムを作るパスを出せるように意識している。(1本のパスでアシストできるように)狙っているし、相手に恐怖を与えられるようにしたい。
-まだ10月の段階だが、C大阪に移籍して
田中 もちろん、よかった。札幌でもミシャ(ペトロビッチ監督)の下で4年間成長できた。でも、少なからず慣れや頭打ちの部分が出てきた。何か変えないと、代表にも絡めないと思った。C大阪の順位(現在7位)は思ったようになっていないが、自分の中では試合、練習で成長できていると感じる。移籍して、むちゃくちゃよかった。
-札幌とは次々節11月3日に初めて敵地に乗り込み、2度目の対戦になる
田中 (同じ背番号10をつける先輩で、尊敬する札幌MF宮沢)裕樹さんにも会えるだろうし、少しでも成長した姿を見せたい。(残留争いをしている)札幌の状況は厳しいが、やる時には自分は勝利だけを目指します。
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◆小菊監督(現在の田中について)「2つのポジションで起用できるのは、非常にうれしい悩み。全ての位置でクオリティーの違いを見せてくれる。後ろ(DF)のけが人が戻ってきて、もう1度ボランチに戻すか、最終ラインで安定している流れを継続するかは、練習などを見て考えたい」
◆田中駿汰(たなか・しゅんた)1997年(平9)年5月26日、大阪・岸和田市生まれ。G大阪ジュニアユース、履正社、大体大から20年札幌入り。大学4年時の19年にU-22日本代表でトゥーロン国際出場、同年ユニバーシアード日本代表で三笘らと金メダル獲得、日本代表としてE-1東アジア選手権香港戦で国際Aマッチデビュー。24年にC大阪へ完全移籍。J1通算167試合10得点(24年33試合2得点)。183センチ、73キロ。
◆田中のC大阪でのポジション 開幕からここまで全33試合に先発。リーグ戦では守備的MFに固定されてきたが、5月6日G大阪戦では、試合中にけが人が出たため、途中で4バックの中央に変更。その後はMFに戻るも、10月2日G大阪戦では故障者の影響で3バックの中央で先発し、同5日浦和戦と2連勝を飾る。6月9日のルヴァン杯プレーオフ町田戦では4バックの中央で先発した。