【皇后杯】新潟一筋19季目の上尾野辺めぐみ、5度目の決勝で初Vへ「タイトル取るまでは」

真剣な表情で練習に臨む新潟レディース上尾野辺(撮影・大島享也)

5度目の正直だ。アルビレックス新潟レディースは25日、皇后杯決勝(広島・Eピース)でWEリーグ連覇中の三菱重工浦和と対戦する。MF上尾野辺めぐみ(38)にとっても皇后杯決勝戦は5度目。過去4度出場(11、13、15、16年)しながらもあと1勝に阻まれてきた。06年から新潟一筋を貫いてきた「ミス・ニイガタ」は、クラブとともに初の日本一の栄冠を手にする。

   ◇   ◇   ◇

思いはずっと揺るがない。「そろっと(新潟弁でそろそろ)。ねえ」。新潟一筋19季目を迎える大ベテランは、日本女子代表として11年にW杯ドイツ大会で優勝。世界一の喜びは知っているものの、新潟Lでの日本一の味はまだ知らない。「新潟でタイトルが取りたい」。その一心で、ただひたすらにボールを蹴ってきた。

ずっと阻まれてきた道に、嫌気がさしたときもあった。皇后杯で4度、昨季のWEリーグカップ杯も含めれば計5度の決勝進出をしながらも、苦杯をなめてきた。初のクラブタイトルを目前にしたときは「そろっと」と口にすることも増えた。年齢的にも次のチャンスがいつ来るか分からないだけに、昨季のカップ杯決勝敗戦後は「1回ぐらいいいじゃん」と本音ももれた。

移籍、引退を考える年齢にもなった。「それはね、何回か迷ったし」。それでも新潟で戦い続ける理由がある。18歳で地元神奈川を離れ、埼玉の武蔵丘短大に進学。地元より新潟での生活の方が長くなった。「新潟はアルビが根付いている。買い物とかしてれば応援の声も。サッカー愛を感じるし、このサポーターとタイトルを取るまではやめられない」。“第2の故郷”で優勝することが、恩返しでもある。

巡り合わせはもう1つ。昨季に小学校の林間SCレモンズからの幼なじみで、日本代表でともに世界一になった盟友・川澄が加入。過去の皇后杯決勝では、川澄擁したINAC神戸にも優勝を阻まれた。「その話をすると喜ぶ」と上尾野辺は苦笑いするが、同じチームとなった今、「この先こういうチャンスが何回あるか分からない。そういう意味では一緒にタイトルを取りたい」。運命の一戦で、今度こそ歓喜する。【大島享也】

○…MF川澄奈穂美(39)は「ベタに最後まで諦めないことが大事」と引き締めた。皇后杯ではINAC神戸時代に4連覇(10~13年)に輝いた。特に13年の新潟との決勝はPK戦の末、自身が5人目で決めて優勝するなど、勝ち方は知っている。「あの時はよかった」と笑顔で話すが、次は新潟のキャプテンとして、クラブ初タイトルに挑む。「ラッキーも含めて全員で勝ち得た舞台を楽しみたいし、真正面から挑戦したい」。優勝をたぐり寄せる。