昨季の6位躍進を支えた主力選手たちが移籍した東京ヴェルディにあって、城福浩監督(64)が身上とする反骨心をあらわにした。
2週間の中断を経て再開する次節の横浜F・マリノス戦(9日・味スタ)に向け、チームは7日に東京・稲城市で非公開のトレーニングを行った。終了後に城福監督がメディア取材に応じ、厳しい状況にあって強い思いで戦っていくことを誓った。
6月のDF千田海人(鹿島)に始まり、7月にはDF翁長聖(長崎)、今月にはFW木村勇大(名古屋)、DF綱島悠斗(アントワープ)がチームを去った。みなレギュラーとして活躍した選手ばかり。16位とJ1残留争いの渦中にあり、厳しい戦いが見込まれている。しかし城福監督はこう断言した。
「外から見たら一見ネガティブな現象に捉え得るようなことっていうのはどこのチームにもありますけど、このチームもたくさんそういったポイントといいうのはあったわけで、そういう時にむしろそれをエネルギーに変えて、変化のトリガーにするというのはやってきている。それは誰かが出たから戦えなくなったとか、そんなことは言わせないつもりでやってくれていると思います。むしろネガティブと外から見たら思えることが多いのが、このチームのストロングかなと思います」
その試金石となるのが横浜戦だ。相手は最下位に低迷するなど苦しんだが、順位を18位へと上げた。そして夏場に補強を重ね、従来からの看板選手のヤンマテウスやエウベルも調子を上げている。持ち前のアタッキングフットボールは復活している。
ただ、城福監督が見ているのは相手ではなく、自分たちのあるべき戦い方であり、理想とする姿だ。
「別に今のこの状況だからっていうか、我々が大事にしているものを失ったら、すぐ残留争いになるというのは、年の当初から言っています。例えば(横浜は)外国籍の選手が何人いますか? 東南アジアの提携枠も含めると7~8人になるんですかね。じゃあ我々はどうなんだと。我々は何で戦うんだというのは、今の順位とか対戦相手じゃなくて、このJ1の中で自分たちが対等にやるためには、エクステンド(拡張する、広げる)にやらなきゃいけないものっていうのは常に強調してきている。もちろん今回の試合の重要性というのは認識していますけど、それよりも我々が失ってはいけないもの、我々が発揮し続けなければいけないエクステンドにやり続けなきゃいけないものっていうのは確認しています」
この期間を通じてスタッフや選手間でのミーティングを多くし、映像を通じて自分たちがやるべき、攻守にソツのないサッカーを繰り返し頭の中に擦り込んだ。前節7月20日のFC町田ゼルビア戦(0-1)では強豪相手にボールを支配し続けるなど、取り組んできたビルドアップにより磨きがかかっている模様。最大の課題となる決定力不足は一朝一夕で克服できないため、地道に辛抱強く向き合っている。
繰り返し口にしたのは「チームは生きもの」という言葉だった。
「変革をする時にはいろんなことが起こり得る。マリノスも彼らのストーリーの中での転換点にいると思う。お互いのこうストーリーの中でのぶつかり合いだと思うので、ここは相手のことというより、自分たちに焦点を当てています」
反骨のリーダーはヴェルディの進むべき道を見据え、その確かな行き先を信じている。