J1で最下位に沈むアルビレックス新潟は20日に、アウェーで19位の横浜FCと対戦する。残留を争うライバルとの“裏天王山”。両チームの勝ち点差は4で、勝てば同1差に縮まり、負ければ同7差に広がる大一番となるが、週の始めのトレーニングからは、弛緩(しかん)したムードが漂った。生きるか死ぬかの瀬戸際で、降格への危機感を持つ選手がどれだけいるのか、厳しい現実を露呈した。
J2降格圏から抜け出したい新潟は、移籍加入1年目の17年にJ2降格を経験しているDF堀米悠斗主将(31)を筆頭に日常を変えようと懸命にボールを追う選手が多いが、全体にはまだ伝染していないようだ。
前節13日にホームで清水エスパルスに0-1で敗れた直後、堀米主将は「この悔しさを週明けの練習(16日)まで全員が忘れずにいられるのか」と話した。16日の練習で、その熱量は感じ取れたのか。主将は記者に逆質問し、「正直、伝わらなかった」と返答があると、少し間を置き、「多分、それが全てだと思う。見ている人がそう思うのであれば足りない」と言った。
清水戦に限らず、サポーターは負けてもブーイングではなくチャントで鼓舞する。その光景に涙を拭う選手もいるが「(スタジアムを)場内一周する時に疲れた表情や悔しそうにする演技はいらないし、チームメートと反省をするふりをする場でもない。だったら今日、もっと目の色を変えて頑張らないといけなかった」と続けた。
普段から行うビルドアップの練習では、複数が並ぶダミー人形を本当の敵と想定してパスを要求、配球をしているか? スペースも時間も限られた現代サッカーでのんびりとマークを外し、膨らみながらパスを扱う場面は少ない。ミニゲームではボールを失った瞬間の切り替えが鈍く、寄せが甘くなってゴール前で簡単にシュートを打たせてGKからゲキが飛ぶことが何度もあった。実戦を意識したリアリティー、残留へのエネルギーを週始めの練習から感じることは難しかった。
今節は敵地で残留を争うライバルと対戦する。勝って新潟との勝ち点差を7に広げたい横浜FCは、なりふり構わずに準備しているに違いない。J2降格の悔しさ、苦しさを知る堀米主将は「勝つしかない。アウェーだけど、まずは気持ちで受けないこと。あとは覚悟」。神は細部に宿る-。誰かに頼るのではなく全員が同じ方向を向き、日常から勝利にこだわることが絶対条件のはずだ。【小林忠】