<明治安田J1:柏0-0広島>◇23日◇第31節◇三協F柏
サンフレッチェ広島の元日本代表DF塩谷司(36)が昨年夏以来となるボランチでプレーし、中盤を制圧した。
読みのいいボール奪取と強度の高い攻守、さらには前線への正確なパスと攻守にフル稼働。ボールポゼッションで今季J1で躍進する柏レイソルに主導権を握らせず、敵陣に押し込む時間帯を作るキーマンとなった。後半35分でベンチに下がったが、無失点で試合を進めていくゲームプランを高いレベルで遂行した。
スキッベ監督は塩谷について問われると「日本のJリーグで一番のディフェンダーというのは間違いない。同時に日本で一番のボランチだと思っています。残念ながら1人しかいないので、(センターバックかボランチの)どちらかで使うしかない」。
続けて「彼がサンフレッチェにいてくれてうれしい。まだまだ31歳なので、これから何年もプレーしてくれることと思います。走るのは好きではないようですけれど」と冗談めかして話した。
12月5日で37歳となるベテランに対し“31歳”と5歳若返らせるほどの絶賛ぶりだった。
塩谷によると、自身のボランチ起用に練習での試運転は1回もなく、急きょ命じられたもの。「もうびっくりしなくなりました」と苦笑。試合中は守備面での立ち位置など「これで合っているのかと思いながらプレーしていました」と明かす。
そのプレーの狙いについては「セカンドボールを拾う、こぼれ球を拾うであったり、その2次攻撃、3次攻撃でいけるように。後は相手のカウンターを受けないようにって意識してやりました」。
中盤のアンカーとして取るべきところで取り切る。「柏さんがやりたかったことをやらせないようにできたのかなと思います」。デュエルの達人は、あらためて自身の真価を見せつけた。
走行距離は求められず、要所で走る機転を生かしたプレーが求められる。「練習でも試合でも一番走っていないところにいるので」。そんな中、スキッベ監督が会見で「31歳」と意図的に発言したことを教えられると、「あの人はそういうことを言って、本当にどんどんやらせようとするんでね。本当にもう少しいたわってほしいなと思います」と笑った。
0-0で終えたことで首位鹿島アントラーズとは残り7試合で勝ち点9差。優勝は厳しくなったと言わざるを得ない。それでも塩谷はベテランらしく「何があるか分からないと思うので、全試合勝利を目指して、一つでも上の順位を目指して毎週やるだけやと思います」とネバーギブアップを誓った。【佐藤隆志】