【横浜】日産自動車が身売り否定も持ち株比率下げることは隠さず「財務的な持続可能性を高める」

横浜F・マリノスのエンブレム

日産自動車が3日、J1横浜の身売りを否定した。経営不振に陥り、クラブ運営会社の株式売却打診が表面化していた中で「日産は横浜F・マリノスの筆頭株主であり続けます」と声明を出した。騒動後、初めて出したコメントで撤退を打ち消した。「成長を支え、財務的な持続可能性を高めるため、長期的な戦略の一環として株主構成の強化について積極的に検討」とも明記。約75%を保有するマリノス株の大半までは手放さず、一部にとどめ、第2位以下にならないことは強調したが、持ち株比率を下げることは隠さなかった。

関係者によると、日産はIT大手など少なくとも3社以上と接触。関係の強い銀行など金融機関の「主導」(関係者)で売却を模索し、横浜市に本社を置く家電量販店ノジマなど複数企業の感触を確かめていた。地元自治体やサポーターからも反対の声が上がり、観測の上で経営権を維持する方向に。本業への悪影響もあり、沈静化を図りたい書面には「マリノスは日産の伝統と価値観、地元を大切にする姿勢の象徴であり、今後もチームの目標達成や将来の発展を支援し続けます」と“約束”を記した。

一方で25年3月期の決算が6708億円の赤字に転落し、国内外7工場と2万人を削減する計画を発表しているだけに、社内外からの反発も予想される。関係者の話では、水面下で譲渡を画策した前例からも流動性を残すが「今後も地元である神奈川県、横浜市に対して、引き続き貢献していきます」とは明記された。

日産が撤退を視野に、買収条件を見極めて年内にも候補先を絞り込む方針とされていた中、マリノスの中山昭宏社長は先月末、本紙などの取材に「アイデンティティー、ブランド、フィロソフィーは守っていく。そこはひとつ、お伝えしたいこと」と回答していた。