<明治安田J1:京都1-1鹿島>◇25日◇第35節◇サンガS
京都サンガF.C.がホームで鹿島アントラーズと引き分けた。
この試合では今季5度目の先発出場となったDFアピアタウィア久(27)が安定したパフォーマンスで守備を締めた。
前節の湘南ベルマーレ戦で、今季1試合をのぞく33試合で先発出場してきたセンターバック(CB)のDF鈴木義宜が退場。出場停止となった鹿島戦では、その代役としてアピアタウィアが起用された。
9試合ぶりの先発となった背番号5は、192センチの高さを生かした空中戦や、冷静なカバーを披露。前半41分のピンチには的確なポジショニングでクリアし、後半25分に鹿島FWレオ・セアラが抜け出そうとした場面も落ち着いて対応した。J1通算100試合出場の節目でのプレーに「久々のスタメンだったのでやってやろうという気持ちではいたけど、CBとして冷静にできた」と振り返った。
大一番での落ち着いた守備は、長く付き合ってきたDF宮本優太の存在があったからこそだった。今季はこの日がリーグ9試合目と出場機会に恵まれてこなかったが、流通経大で1学年下だった宮本のプレーがアピアタウィアを変えた。「自分は元々身体能力だけでプレーしてしまう選手だった。ベンチから優太やノリくん(鈴木)の細かいポジショニングを見て、勉強した。自分が出ていない試合も、彼らのプレーを何度も見た」。鋭い配球で貢献した攻撃面も宮本が“先生”に。「優太が本当にうまくて、プレーを見て勉強した。あいつのおかげで成長できたっていうのを今日の試合で実感できた」。後輩をリスペクトして学ぶ姿勢が、新たな姿につながった。
昨季は2度退場処分を受けるなど苦しみ「京都に来て思い通りにいかない時間の方が長かった」と振り返る。それでも普段から曺貴裁監督に「絶対お前の出番は来るから」と声をかけられ、努力をやめなかった。「試合に出られない経験は今まであまりなくて、結構辛い時間だったけど、そこで成長を止めてふてくされていたら選手として終わりだと思った」。試合や練習の後も自主トレや筋トレ、プレー映像のチェックに費やした。
悔しいドローに終わったが、指揮官から「自分らしいプレーをしてくれ」という一言を受けてピッチに立った試合で堂々のパフォーマンス。謙虚に学び続けるCBは「自分の成長はここからだと思う」とさらなる進化を約束した。【永田淳】