柏レイソルの12年ぶり3度目の優勝なるか、はたまたサンフレッチェ広島の3年ぶり2度目の戴冠か。今日1日のYBCルヴァン杯決勝を翌日に控え、東京・国立競技場で10月31日、公式練習と会見が行われた。両チームは今季J1で2分けと実力伯仲。延長、PK戦も含め毎回拮抗(きっこう)した勝負が繰り広げられる決勝戦だけに、途中出場のジョーカーたちの活躍に期待がかかる。柏はエースFW細谷真大だけでなく、今夏に川崎Fから戻ってきたFW瀬川祐輔(31)がいる。一方の広島は、日本代表入りも果たしたMF中村草太(23)がプロ初タイトルへ腕ぶしている。
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国立で負けた悔しさと勝った喜び。柏の頼れる切り札、瀬川は酸いも甘いも知るストライカーだ。
決戦前日。「過去2回やってますけど、その時とは違った気持ちで準備ができているっていうのと、自信を持ってプレーできるだろうなっていうのがイメージとしてある。僕もワクワクしてます」。高ぶる思いをおくびにも出さず話した。
今回で自身3度目の国立決戦だ。20年ルヴァン杯決勝は柏の選手としてFC東京戦に先発出場。前半45分に同点ゴールを決めたが、後半に勝ち越され1-2と敗れた。23年12月の天皇杯決勝は川崎Fの選手として、古巣・柏を相手に後半19分からプレー。0-0で両者譲らず延長戦を経て、PK戦の末に勝利している。
常勝軍団フロンターレを知り、6月の移籍で4年ぶりに柏へ帰還。その経験を柏に還元する。「レイソルから離れて成長できてたし、練習してきた部分が自分の中でしっかり表現できるような時間が数多くあった。なんかそういうところがこう今のワクワクにつながっている」。移籍後の公式戦11試合で4得点。足音を消しゴール前へ潜り込む狡猾(こうかつ)なキツネ。一瞬のスキを逃さぬ「フォックス・イン・ザ・ボックス(Fox in the box)」を体現する。
リカルド・ロドリゲス監督は「現代サッカーでは交代出場の選手が勝負の役割を担う」と言う。ベンチスタートから得点を重ねる細谷とともに、瀬川の存在が勝負どころで効いてくる。「勝負強さはある方だと思います」。12年間閉ざされたタイトルの扉、その鍵を握る男がその時を待つ。【佐藤隆志】