東京ヴェルディの18歳ルーキー、MF仲山獅恩がプロデビューから一夜明けた1日、順天堂大とのトレーニングマッチにフル出場した。
前日はアウェー横浜F・マリノス戦(2-3負け)に後半23分から出場。4-4-2の右サイドハーフでボールを引き出し、攻撃に幅をもたらした。堂々とした振る舞いに城福浩監督も「物怖じしない」と期待を膨らませた。
この日は大学生を相手にサブ組メンバーで臨む中、ボランチで先発し、後半は左シャドーにも入った。前日同様にボールを引き出し、攻撃の起点となり続けた。
後半11分にはペナルティーエリア外から浮き球を右足ボレーで狙うと、シュートはゴールバーに直撃。得点はならなかったが、見せ場を作った。さらに後半45分には巧みなボールタッチから“裏街道”で相手を外し、右のオープンスペースへ持ち出すと、フリーで走り込んだFW白井亮丞へ冷静に浮き球パスを通した。GKと1対1となったビッグチャンスだったが、白井のシュートはゴール右に外れ、アシストとはならなかった。
それでも次節鹿島アントラーズ戦(7日、カシマ)に向け、間違いなくアピールとなる90分だった。
城福監督は「彼の特長は足を止めないこと。予測も含めてサッカー理解が深い中で足が止まらない中で技術を発揮できる」とあらためてそのポテンシャルに太鼓判を押した。その上で「J1の屈強な相手の中で戦えるようになれば、大きな戦力になる」と断言した。
当の仲山は「(プロデビューで)試合に出たからって気持ち的にはいつも通り変わりはない。もうチャレンジャー精神を持ってやるだけでした。出来は50、60くらいの感じなので、徐々にコンディションを上げていきたいと思います」と平然。そしてプロデビューについては「遅すぎるくらいなので。世界を見たら15、16歳ってやつが色々といますから、逆に遅くて悔しいっていうのが大きい」と強心臓ぶりを発揮した。
プロ意識が高く、常に自分自身にベクトルを向けている。順大戦で白井に通した決定的な場面について「ゴロで通すか、浮き球で通すかという選択の部分での判断が悪かった。ゴロで出したら決められていた。そういうところにこだわっていきたい」と反省した。
加えて守備面に課題を置く。「昨日の試合でもありましたけど、ワンツーの対応というところが全然ダメ。自分がマークしている選手がはたいて走っていくところの対応だったり、そういった面の強度というのを1個1個上げていきたい」。
ピッチ上では一回り上の先輩でも呼び捨てにする。物怖じしない18歳は「多分、周りから見たら偉そうに見えるかもしれませんが、自分的には普通のことをやっていると思っています。ピッチに入ったら、いつも言いますけど、関係ないので。(横浜戦も)途中から試合に入ったらエネルギーを与えていければという思いでやっていました」。
今季4戦目で初黒星を喫し、次は王者鹿島が相手。難しい試合になることは間違いなさそうだが「勝つだけです。自分の気持ちは特にどの試合でも変わらない」。カシマスタジアムでは高校2年のプリンスリーグで得点しているという。大きな可能性を秘めた若者が、ヴェルディに化学変化を起こしそうな気配だ。【佐藤隆志】