東京ヴェルディの城福浩監督(65)が、聖地ウェンブリーで金星を挙げた森保ジャパンの戦いを自チームに重ねた。
1日早朝(現地3月31日)にあった日本代表対イングランド代表戦。ボール支配率は33%対67%と主導権を握られながら、組織だったディフェンスと切れ味鋭いカウンター攻撃で1-0で日本代表が勝利した。
一夜明けた2日、東京・稲城市のクラブハウスで取材に応じた城福監督は「ワールドカップの大陸プレーオフはダイジェストくらいしか見れていないですけど、(日本の)フル代表の方は今回スコットランドとイングランドは見させてもらいたました。いろんな思うことはありましたね」と口にした。
東京Vは日本代表と同じ3-4-2-1のシステムで戦っている。豊富な運動量をベースにチーム一体となって懸命に守備に取り組み、相手のスキを逃さない素早い攻撃を持ち味とする。英国遠征2試合でともに1-0と勝利した日本代表の姿は、反骨の指揮官が目指すところと重なるものだった。
参考になった部分は? と問われると、城福監督はこう続けた。
「代表ならではだと思いますけど、攻撃的な選手をどこのポジションに配置するか。状況によってはそこに守備的な選手を配置するっていうバリエーションがあるじゃないですか。その時にそういう選手たちが、そのポジションのタスクを全うしながら自分の特長を出していくっていうものの、覚悟とか潔さとかっていうのは、自分との葛藤もあると思うんです。本来のポジションがどこかっていうよりも、チームとしてのそのポジションのタスクと、それを全うしながら自分を生かしていくっていうところのたくましさみたいなのは、どういうふうにヴェルディの選手たちに植え付けていけるかなという思いを巡らせながら(日本代表戦を)見ていました」
本来のポジションとは多少違えど、選手個々が持つ個性を発揮し、チーム力を最大化していく。フォアザチームの精神性、そしてプロとしての矜持を見せつけられた。
「技術的なところとかね。局面の激しさっていうのもそうなんですけど、心構えとか、サッカーとの向き合い方とか、自分との向き合い方っていうところが、何かしら彼らのプラスになれるような話ができればとは思いながら見ています」とも付け加えた。
中断期間を経て、次節は4日にジェフユナイテッド千葉と対戦する。
では、さっそく日本代表戦を自分たちのミーティングに持ち込んだのか?
「今回はなかったです。今週のだらしなさというか、これはありえないっていう我々のスタンダードじゃないところをみんなで共有したので。代表どころではなかった」
今週の練習では緩さが見えたため、あらためて「チームの原点とは何か」を突き詰めたという。
「繰り返しになりますけど、成長っていうのは基準を高く持ち続けた選手がチャンスを得られる。そのチャンスを得た選手が勝ち点を取るべく最大の努力をする。それで勝ち点を得られたら自信が得られる、確信が得られる。このサイクルだと思っている」
「三笘の1ミリ」ならぬ1ミリの妥協も許さぬ男、城福浩はブレるところがない。【佐藤隆志】