<アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE):町田1-0アルアハリ>◇21日(日本時間22日)◇準決勝◇ジッダ(サウジアラビア)
FC町田ゼルビアが初出場初優勝に王手をかけた。FW相馬勇紀(29)が決勝点を挙げ、アルアハリ(UAE)を1-0で下した。日本勢の決勝進出は4大会連続。アジアの頂点をかけ、前回王者アルアハリ(サウジアラビア)と25日(日本時間26日)に対戦する。
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これはおとぎ話なのか。夢見る町田の快進撃が止まらない。黒田監督が就任した23年のJ2初優勝に始まり、24年初のJ1で優勝を争い3位。ACLの出場権を獲得した。25年は天皇杯で初優勝。そして26年はアジアのファイナルに進出した。まるでファンタジー、この日の主役となったのは「ドラミちゃん」だった。
19年に鹿島へ移籍、ポッチャリした風ぼうで黄色の練習着姿を見たOBの内田篤人氏から名付けられた。愛されキャラの相馬がピッチに帰ってきた。4月4日の東京戦で足を痛め離脱。17日の準々決勝アルイティハド(サウジアラビア)戦も欠場したが、準決勝に間に合った。前半12分、鋭い出足で相手のミスを突いてボール奪取。そのまま持ち込み右足でゴールを奪った。虎の子の1点。シュート数6対17、ボール支配率30%対70%という劣勢の中、値千金の決勝点を挙げた。
「黒田監督から昨日の練習前に勇紀が町田のエースだから活躍してきてくれって、本当に信頼した言葉をもらった。僕はそれに応えたくてチームのために全力でプレーしようと思い、ゴールできて良かった」
日本を出発するまでジョギングさえできなかった。ジッダ入りしてからも理学療法士のもとでトレーニングを積んだ。万全を期し、地道な作業の上にこの日の躍動があった。「こんなに早く戻れたのはスタッフのおかげ。準々決勝も検討したけど辞退したのはいい判断だった。結果的に今日のプレーができた」。一足飛びで成長し続けるクラブ、その結束力の勝利だった。
アジアの頂点が見えた。相手はサウジアラビアが誇るメガクラブ、アルアハリ。国家プロジェクトとして莫大(ばくだい)な資金力をもとにマンチェスター・シティーで欧州CL優勝も経験したFWマレズら実力派がそろう。「相手はここがホーム。本当に大歓声の中でのアウェーですけど、いい試合をして優勝したい」。夢や希望、友情をもたらすのがドラミちゃん。おとぎ話はジッダの夜に完結するのか。そのカギは「エース」相馬が握っている。