FIFA会長が初の反論「トランプ大統領から電話」認めるも「私たちは無関係…独立機関の決定」

FIFAインファンティノ会長(2022年12月撮影)

国際サッカー連盟(FIFA)が、米国代表FWフォラリン・バログン(25=モナコ)の出場停止処分を1年間猶予すると発表し、世界中から批判されている問題で、ジャンニ・インファンティノ会長(56)が初めて反論した。

6日(日本時間7日)にXアカウントのFIFA Mediaに声明を投稿。米国のドナルド・トランプ大統領(80)から電話を受けたことは認めつつ「FIFAの独立した司法機関、規律委員会の決定を尊重する。私たちは無関係だ」と強調した。

声明は「フォラリン・バログンに関する、独立したFIFA規律委員会の決定(1年間の猶予)に関連する公式コメントを拝見しました。FIFAのガバナンスにおける基本原則を改めて強調したいと思います」から始まった。

「FIFAの司法機関は独立しています」と改めて明記し、FIFAの懲戒規定が適用されるルールと、目の前の具体的な事実(プレー)に基づいて決定される原則を紹介。「その独立性は、サッカーの信頼性と誠実さを保つために不可欠であり、常に尊重されなければなりません」とした。

続けて「ええ、私は定期的にアメリカ合衆国の大統領とW杯に関して議論しています。この件に関して、ドナルド・トランプ大統領から電話も受けました」と認めた。これはトランプ大統領側も隠していない。

その上で「ただし、私は世界中の国家元首、政府当局者、サッカー関係者、ビジネスリーダーから、さまざまな問題について電話を受けています。今回はそれと同じ。会話の中で私は、FIFAの独立した司法機関が関わる法的プロセスが進行中で、今回の事態は適切な機関によって適切に決定されている、と(トランプ氏に)説明しました」と明かした。

そして「私は、規律委員会の決定が発効するたびに読んでいますが、時には驚くこともあります。時には同意で、時には不同意です」と心情を示し「私が常にすることは、決定と、それを下した機関の自律性を尊重すること。私たちが、その決定を個人的に好むかどうかは無関係です。独立した機関と法の支配への敬意こそが、私たちの競技の誠実さとFIFAの信頼性を常に守るものなのです」と力を込め、開催国から圧力がかかったり、忖度(そんたく)したり、米国を優遇したりしたわけではない旨を主張した。

しかし、世界は鵜呑(うの)みにはしないだろう。世界の中心地、欧州のサッカー連盟(UEFA)は先駆けて「一線を越えた。我々は、このように前例のない、理解不可能で、正当化できない決定に驚きを隠せない」とFIFAの決定を非難する声明を出し、対決姿勢を鮮明にしている。

バログンは1日(日本時間2日)の決勝トーナメント1回戦ボスニア・ヘルツェゴビナ戦で先制ゴール。開催国のエースとして今大会3点目を挙げた。ところが後半19分、レッドカードを受けて一発退場。意図的ではなかったにせよ、球際の接触プレーでスパイクの裏が相手選手の足首に入って退場処分を受けていた。

当然、次の1試合は最低でも出場停止になる。6日(同7日)の2回戦ベルギー戦には出られないはずだったが、FIFAが処分を1年猶予。トランプ大統領がインファンティノ会長に電話し、見直しを求めた前代未聞の行為が明るみに出ていた。

試合は、このままキックオフを迎えてバログンが出場するだろう。批判の過熱、さらなる物議を醸すのは間違いなく、この声明だけでは収まりそうもない。