【東京V】城福監督「泥水をすする」挑戦、歴史的転換期のJ1へ「どんな姿勢でやり続けるか?」

夏空が近く感じられる東京V練習場で汗いっぱいの城福浩監督

東京ヴェルディを指揮して5年目を迎える城福浩監督(65)が、今季はさらに「泥水をすする」覚悟で挑む。開幕戦(9日・川崎フロンターレ戦=東京・味スタ)に向けて7日、東京・稲城市の練習場でメディア対応した。

今年半期で行われた百年構想リーグでは、川崎Fに2戦して2敗を喫した。厳しい相手との初戦を迎える中、反骨の指揮官は「今年の2試合とも見直しましたけども、そのまま個にやられたとも言えますけど、我々のやはりコンセプトのところはやりきれてない。甘いので。ここはしっかり意識しながら、我々もエリア1とか2とか3っていうふうに分けて、どういうサッカーをするかっていうのは整理してきている。これをやりきることでフロンターレに対して今までで一番いい試合ができるはずだというふうに思っているので。これはもう我々のメンバーというよりも、もう我々のコンセプトをいかにチームが出せるかということが大事」と話した。

川崎Fは説明するまでもなく、攻撃的なタレントを多くそろえる強豪クラブ。城福監督の言葉を借りるなら「センターバックからも、サイドバックからも攻撃の起点になれる、そういうチーム作りをしている」「ボランチに配置される選手は非常にスキルが高く、サイドにはいろんな特殊な選手がいる」。

だからこそ、ヴェルディとしては「いかにコンパクトを保ちながらボールホルダーへ圧力をかけられるか」がポイントになってくる。いい守備からいい攻撃へ素早く転じる。外連味のない攻守こそが開幕戦で勝ち点を得るための方策となる。

相手をしっかり分析した上で、何より自分たちのやるべきことに目を向ける。そこは過去4シーズンを振り返っても、妥協なく紙一枚一枚を積み上げるように、地道に根気よくやり続けてきた。

中堅クラブの宿命だが、シーズン後に移籍市場が開くたびに選手の入れ替わりが出てくる。JFKイズムをたたき込まれた選手たちがチームを去ることに悔しさを覚えるが、避けられない。そこは根気よく、トレーニングを繰り返していくしか手段はない。

「プレシーズンの4週間や5週間では埋まらない。もう1試合1試合戦いながら埋めていくしかない。そんなに簡単じゃない。僕はいつも言っていますけど、緑のユニホームを着たから成長するわけではない。日々、泥水をすするような思いをして積み上げていくしかない。緑のユニホーム着て、他のクラブより出やすくなったから成長するかって、そんな甘いもんじゃないのは間違いない」

今夏も鹿島からDF溝口修平、川崎FからFW神田奏真、そして浦和を退団したMF柴戸海が加入してきた。みな強豪クラブに在籍していた実力ある選手たちだが、東京Vのトレーニングの厳しさは想像以上のようだ。

「単純に強度と時間だけでも驚いていますけど、その強度と時間だけでも足りない。他のクラブが1時間半やるんだったら2時間半やって、その中でどんな姿勢でやり続けるか? それが大事になる。それも何回も言いますけど、(プレシーズンの)4週間や5週間ではそれは回らない」

よみうりランドに隣接する練習場は、夏空がより近く感じられる。そんな炎天下のトレーニングで城福監督のウエアは誰よりも汗びっしょり。真剣な言葉に説得力を持たせるものだった。

5年目の指揮。自身にとって1つのクラブでは最長となる。

「時間を与えてくれたクラブには感謝します。前にも言ったことがありますけど、長いことやれる監督っていうのは、主力を入れ替えられる力があるクラブか、監督自身が変わっていかなきゃ無理なんですよ」

城福監督の場合は後者だ。自らが変わっていく-。

「僕がアップデートしていかなければ、スタッフとともに我々が選手を引っ張る存在に。強度だけでなく、物事の捉え方とか、現象の捉え方とか、選手の整理のさせ方とか、我々がアップデートできなかったら、もうこれは現状維持も難しいと思います。アレックス・ファーガソンがやっている主力を入れ替えられて、いけるようなクラブであればまた話は違うかもしれませんけど、そうじゃないのであれば、スタッフが進歩していくっていうのは大きなキーワード。その中でも特に監督が前に進まなければいけないし、いろんなアングルで見えなければいけないし、包容力も、許容する力も、鈍感力も含め、自分が進歩していかないと恐らくチームを沈めることになる」

シーズン開幕を前に、強い覚悟を口にした反骨のJFK。誰よりも「泥をすする」強い覚悟を持って、歴史的転換期のJリーグに切り込んでいく。【佐藤隆志】

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