元Rマドリードの「神童」で、スペインのレガネスBからJ2今治に完全移籍で加入したMF中井卓大(22)が、Jリーグデビューした。開幕いわき戦にボランチで先発。プロで初めて日本のピッチに立った試合は1-2で敗れたが、後半42分までプレーし「4年後のW杯代表」へ第1歩を刻んだ。元日本代表監督の岡田武史氏(69)が会長のクラブに7月、電撃入団。スペイン一筋12年だった逸材が国内から再出発する。
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神童が帰ってきた。今治MF中井が22歳で日本デビュー。開幕いわき戦にダブルボランチの右で先発し、母国の芝を踏みしめた。序盤から走力に優れる相手に押し込まれ「Jデビューはうれしかったけど、不完全燃焼」。9歳からレアルで磨かれた技術、視野の広さを見せられなかったが、前半35分に右サイドの最も深い位置までドリブルしてクロスを上げると、場内はどよめき「たくひろっ、ピピッ!」コールを送られた。
後半は早々に2失点も本領を示すスイッチになる。中盤がダイヤモンドに変わった底に中井が入ると、ボールに触る回数も増えて、回り始めた。後半37分には華麗なボールキープで沸かせて42分に、お役御免。「まだチームとしても2割」と認めたが、合流1カ月未満ながら、モウレロ監督から「音楽を演奏しているようだった」と称賛された。
悔しくも、念願の日本復帰だった。バルセロナ育ちの久保建英とともに「神童」と騒がれ「白い巨人」Rマドリードの下部組織に9歳で、日本人で初めて、加入した。16歳で一時トップ昇格した際にはマルセロやビニシウスとプレー。22-23年にはレアルBに昇格するなど順調だったが、負傷と期限付き移籍を繰り返した。「2、3年前から日本には戻りたかった」が、契約は25年6月まで。21歳の昨夏に退団し5部のレガネスBをへて国内帰還した。
今治とは北海道合宿の練習生から正式契約。昨年12月の右ひざ半月板手術も乗り越えた87分間に、手応えもつかんだ。30年にスペインなど3カ国で共催される夢舞台へ「ここから4年後のW杯で日本代表になれるように」。国内でベールを脱いだ天才が、J2からリスタートした。【木下淳】
◆中井卓大(なかい・たくひろ)2003年(平15)10月24日生まれ、滋賀県大津市出身。アスール滋賀からRマドリードのカンテラ(下部組織)入り。負けず嫌いでピーピー泣いていたため「ピピ」の愛称となった。フベニールB(17歳)とA(19歳以下)からトップチームの手前、リザーブのカスティージャまで昇格。世代別の日本代表は18年のU-15や22年のU-19など。23年以降はスペイン3~5部で苦闘した。利き足は右。182センチ、73キロ。今治で選んだ背番号80は憧れのロナウジーニョから。