<明治安田J1:京都2-2鹿島>◇21日◇第11節◇サンガS
京都サンガF.C.のMF新井晴樹(28)が、プロ初の1試合2ゴールでチームに勝ち点1をもたらした。
前半16分に完璧なトラップから右足で先制ゴールを決めると、1-2とされた後半アディショナルタイム7分にFW加藤拓己(27)のクロスを頭で合わせて劇的同点弾。ホームで勝ち点3を得られなかった悔しさをにじませながらも「ゴリ(加藤)がいいクロスを上げてくれたので、本当に押し込むだけだった。チャンスは少なかったけど、信じて走りきれた」と、最後まで走り続けての2ゴールに胸をなで下ろした。
10日のFC町田ゼルビア戦では、決定機をモノにできず悔しさを爆発させたが、13日にラチャブリ(タイ)と対戦したアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)では決勝点をアシストし、この日は2得点で貢献。「ポポさん(ポポビッチ監督)からもいわれていたし、意識して最近のトレーニングで取り組んでいた。いいパスを出してくれたので、狙った通りうまくいった」。カットインからのシュートをDFに当てることも多かった反省を生かし、素早くシュートに持ち込むことをイメージした動きが、結果につながった。
ピッチ外でも忙しく走った。試合後には外で待つ知人にあいさつするために猛ダッシュ。この試合には家族に加え、21年のJFLティアモ枚方時代に勤務していた工務店「匠建(しょうけん)枚方」の元同僚や、当時よく通ったすし店を営む夫婦が観戦に訪れており、その人たちに会いに行くためだった。「ティアモの時に勤めていた工務店は、選手では僕が最初で最後だったけど、その後もずっと応援してくれているし『J1で活躍してくれて本当にうれしい』と言ってくれる。枚方時代にほぼ毎日行っていたすし屋の大将とおかみさんも来てくれていた。本当にお世話になった人たちがたくさん来ていたので、いつも以上に気合が入ったというのもある」。その思いを結果で示す機会となった。
チャンスメイクするだけでなく、得点やアシストで試合を動かすようになり、チームでの存在感も増している。
それでも目指す場所は高く、満足はしていない。「(JFLでプレーしていた)あの時の自分が、鹿島から2点取るなんて考えてもいなかった。でも今は新加入選手でもないし、28歳で若くもないし、チームを引っ張っていかないといけない立ち位置。スタメンで使ってもらって数字が残せなかった試合が多かったけど、今日本当に2点取れて、少しほっとした。これをノルマにしていかないといけない」。恩返しの2得点でチームに勝ち点をもたらした爆速アタッカーは、ハイパフォーマンス継続を力強く約束した。【永田淳】