山形MF日高慶太(24)が、目の色を変えて4年目のシーズンに臨んでいる。千葉・館山キャンプ6日目の1月31日も5日連続の2部練習。午前のサーキットトレーニングでは歯を食いしばって各種目に全力を注ぎ、午後の5対5の対人練習では最後の最後に得点を奪った。今キャンプで2度行った走り込みも、最速ペース組のトップを快走。「今年もまた山形でやれる。恩返しをしないといけない」と意気込みが違う。

 ラストチャンスをものにする。昨季は9月にJデビューを果たし、天皇杯も2試合に出場。「石崎さんのもとで、自分でもわかるくらい成長した」と手応えをつかんだ。だが、プレーオフ決勝を制した翌日に非情な通告が待っていた。契約満了だった。直後に合同トライアウトを受験して新天地を模索したが「他クラブから話があっても、山形でやりたい気持ちが強かった」。すると、年末に山形から再契約のオファーが舞い込んだ。「いろんな人を見て、運とか縁は努力で引き寄せるものだと思った。去年以上にやるしかない」。1度は失ったJ1でプレーする権利を、簡単に逃すわけにはいかない。

 「今までと同じことをしても仕方ない。ガラッと意識を変えた」と、オフには初めて海外で自主トレを行った。練習でも自ら先頭を走り、声を出すようになった。生まれ変わった日高がどん底からはい上がり、ボランチ定位置争いに名乗りを上げる。【鹿野雄太】