山形は14日、キャンプ地の千葉・館山市出野尾多目的広場で流通経大と練習試合(45分×3本)を行い、合計3-1で勝利した。13年シーズン終盤に左膝前十字靱帯(じんたい)を損傷し、昨季前半を棒に振ったFW林陵平(29)が2年ぶりに春季キャンプから全体練習に参加。1トップで出場した2本目にPKを決め、東京との練習試合(7日)に続く2戦連続ゴールで好調さをアピールした。

 今季「完全復活」を目標に掲げる林が、先発復帰へ“のろし”を上げた。2本目の8分、FW中島が相手GKのファウルを誘って得たPKをゴール左に難なく決めた。「PKですけど、FWはどんな形でも結果を出すことが大事。去年と違う自分を見せたい」と闘志をむき出しにした。

 13年J2・12ゴールのチーム得点王。今季、J1復帰のスタートから練習に参加できることが何よりもうれしい。13年11月のJ2第40節・松本戦で左膝前十字靱帯を損傷して手術。昨春キャンプはリハビリに明け暮れていた。石崎監督体制下でのキャンプは初体験の林は「きついけれど自分にとっては新鮮。調子がいいので続けていきたい」と意欲的だ。

 昨年6月下旬のJ2第20節・磐田戦で公式戦ピッチに復帰。復帰後初先発になった9月の天皇杯4回戦(J1鳥栖)は延長120分間フル出場で勝利に貢献した。だが、その後のリーグ出場機会はなく、リーグ出場3戦(計40分)無得点の悔しさを味わった。システム3-4-2-1変更後は本来トップ下のMFディエゴが1トップ定着。この日も1本目に先制PKを決めた。ディエゴに負けじとPKを決めた林は「ディエゴをトップ下に下げられるような活躍をしたい」と1トップ争いに名乗りを上げた。

 昨年12月には第1子の長女誕生で精神面も充実している。ゴール・パフォーマンスで観客を沸かせる林は「ストックがあり過ぎるので開幕戦でできるように準備したい」と、背番号と同じプロ8年目の活躍を誓った。【佐々木雄高】