サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会に出場した日本代表が5日午前、東京・成田空港に帰国し、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長(60)、西野朗監督(63)、代表引退を発表したMF長谷部誠主将(34)が会見に臨んだ。

 西野監督は、大会2カ月前にバヒド・ハリルホジッチ前監督(66)の電撃解任を受けて、監督として活動した46日間と、14年ブラジル大会で惨敗し4年間、悔しさを持って戦ってきた選手とは、ワールドカップを思い続けた時間に差があり「思いは全く違った」と熱量にも温度差があったことを明かした。

 その上で「8年スパンで戦って…これではダメだと思う。次のカタールで16強を超える段階にはあると思う。選手が、必ず成し遂げる状況につなげる成果だけは感じた」と、次回の22年カタール大会での8強入りを日本代表、そして日本サッカーの最重要課題に掲げた。

 西野監督は冒頭で「今日は通訳がいないので安心してしゃべれます」とジョークを飛ばした。その上で、こう語った。

 西野監督 5月21日から今日で監督として46日、活動させていただいた。私にとっては46日だったが、選手はブラジルから4年…悔しさを持って日本サッカーが成長したいという思いの中で、私は(練習場の)秋津で46日、ピッチに立った…思いは全く違った。選手は強い、気持ち、非常に高い意欲…私は最終的なところで、ロシアで戦おうと思ってやってきたが、選手の強い思いには、とても勝てなかった。

 その上で、ハリルホジッチ前監督が作り上げた、局面で戦う“デュエル”なども尊重し「前監督の財産、やってきたことに本大会で出来ることを探りながら、すばらしいサッカーを披露してくれたと思う。結果は1つしか勝てませんでいたけど1ゴール、1ポイント、1プレーが厳しいと、私が初めての経験で、1次リーグ突破すること、勝ち上がることの厳しさを知った。そういう感覚を持ち合わせていなかったこともありますが、選手は戦ってくれた」と選手をたたえた。【村上幸将】